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Prrr…
「Aさぁん、事務仕事溜まってきててぇ……終わらなくてぇ……撮影終わり来れたりしますか」
後輩ちゃんから泣きながらかかってきた電話。
私居なくても大丈夫だろうとみんなにちゃんとスケジュールは伝えておいたのだけど、ダメらしい。
今のドラマの視聴率が高いおかげで私へのオファーの電話が鳴り止まないのだとか。
実際私も雑誌にドラマに音楽番組にバラエティにと大忙しだ。
「わかった、遅くなるから残業になりますが、海野さん大丈夫ですか?なにか食べ物買っていきますね。」
今日行ったらマニュアル作るか。
営業の先輩2人と事務兼女優の私しかいなかった頃、経理事務も(簿記も取らされた)HP更新とかも私がやってたんだけど。
社長、インターネット疎いし。
「すみません戻りました!」
ス「大丈夫です!本番いきまーす!」
道枝「桃乃お前さ、無理しすぎだって。だいたいコピバンでいいじゃん」
「私はパパみたいになりたいの!コピーじゃ嫌なの!!」
松村「浅倉、深見!……!びしょ濡れじゃないか。早く校舎入って……」
「……っ!!」
道枝「桃乃!高倉先生ちょっとごめん!!」
『カット!』
「ひゃ〜冷たいですね!スタッフさんまで濡れちゃいますよ〜!あ!山内さん濡れてる!先拭いてください!」
今のシーンは私が作詞作曲全部やって、みんなに押し付けようとして、周りがついていけないよってなったシーン。
たかだか部活、されど部活。なのだ。
桃乃は武道館も制覇したギタリストの娘でそれに憧れてる、だからコピーではいけないと思ってる。
ス「では本日はここで終了です!お疲れ様でしたー!」
松村「Aちゃん、この後仕事ある?」
「撮影とかはないですが事務所行かなきゃで……」
松村「……ココ最近、寝れてる?」
「大丈夫です!ありがとうございます!松村さんもお疲れ様ですー!」
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作者名:冬村 | 作成日時:2022年12月27日 7時