Attention Lies：しゆん (ページ6)

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Morning ページ6

頭を撫でられる感覚に、目を覚ます。

「はよ」

視界に入ったしゆんさんは、お風呂に入ったのか髪が少し濡れていて、バスローブを身にまとっていた。

少し遅れて、自分もバスローブを着ていることに気がつく。

「よく寝れた？」

「はい…」

寝ぼけ眼を擦りながら返事をして、ふと置時計を見れば、そろそろ9時になる頃で。

「もうこんな時間…！」

慌ててベッドから出る。

「なんか用事？」

「あ、えと…夫が、帰ってきてしまうので…」

今更になって、とんでもないことをしてしまったと罪悪感が襲う。

既婚者の身で、素性も知らない男性と一夜を過ごすだなんて…

「ふぅん」

しゆんさんは興味のないような、けれど少し悲しそうな顔をしていた、気がする。

「A」

後ろから優しく抱き締められる。

「オレ、あのバー行きつけなんだよね。また来てくんねぇ？」

「え、と…」

私は言葉に詰まって、でもしゆんさんを振りほどけずに、少しの間沈黙が流れる。

「待ってんね」

私の首筋に顔を埋めたしゆんさんは、ちゅっと軽いリップ音をたてて離れた。