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File 5-E: 探偵たちの暗号解読 ページ28

「やったー! やったよ松田さん! 降谷さんに褒められたー!」
「うわっテメ、引っ付くな!」

がばりと一番手近にいた松田さんの腰に腕を巻き付けて抱き締めると、松田さんは大袈裟なほど体を震わせてから硬直した。

「おい零オメー普段どんだけ鞭しかやってねぇんだよ!」
「あまり飴をあげすぎると調子に乗るんだよその子は」

顔を真っ赤にして硬直したまま動けないでいる松田さんから、私を引き剥がす降谷さん。
そんな彼を見上げると、ちょうど私を見下ろしていた降谷さんと目が合う。嬉しくてたまらずえへへと笑みを浮かべれば、降谷さんも珍しく優しそうな笑みを浮かべて私の頭を撫でてくれた。

「ところで」

和やかな空気を切り替えるため、赤井さんがスマホを見ながら口を開く。

「暗号が解けた直後で悪いが、どうやらスーパームーンは今夜のようだ」
「えっ」

慌てて今の時刻を確認すると、深夜12時を回ったところだった。海岸工場までは、車を飛ばせば1時間ほどで着くため時間は問題ない。ただぶっつけ本番の取引現場摘発になるため、ドタバタが予想されそうだ。

「今確保できる人員ってどれだけいます!? 勤務中の刑事とかに声かけても何人集まるか……」
「いや、人数が多すぎると勘付かれて手間だ。確実に捉えたいから、風見たちと、松田も来れるか?」
「ったく、相変わらず人使いが荒いぜ公安サンはよー」

慌てて現場に向かう準備に奔走し出す私を制止し、降谷さんは松田さんを見る。当の本人は、悪態こそついてるもののその口に浮かべる笑みから準備万端のようだ。

「夢路、お前も来い」
「待って私、鬼塚教官に絶対銃だけは持つなって言われたほどギリギリまで射撃テストクリアできなかったんですけど」
「敵の足元を威嚇射撃できればそれでいい」
「外そうと足元を狙って撃った弾で人形の心の臓ど真ん中ぶち抜いた女です!Aちゃんいっくよ〜!」
「待て、一旦考え直させてくれ」
「ジョディたちと連絡が取れた。向こう側も向かうらしい」

私たち、というより私一人がわちゃわちゃしている間に、赤井さんはジョディたちに連絡してくれていたようだ。
降谷さんはムッとしていたが、船の物資がアメリカから来てる可能性が高い以上、FBIを無碍にはできない。

「じゃあ俺は、」
「工藤くんはこれにて解散だ。うちの夢路が迷惑をかけたな。一課の奴らが君を送ろう」

工藤くんの言葉を遮るように、降谷さんが話を進める。工藤くんの不満そうな顔と言ったら。

File 6-A: 取引現場摘発任務→←File 5-D: 探偵たちの暗号解読



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設定タグ:名探偵コナン , 警察学校組 , DC   
作品ジャンル:ラブコメ
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始まりの神:トワイライト・ジェネシス(プロフ) - おかきさん» 更新が本当にゆっくりで申し訳ないですが、そのように言っていただいて嬉しいです!今後もゆっくり確実に更新していきますので、思い出したときに見ていただけると幸いです! (3月21日 1時) (レス) id: 5d704cea99 (このIDを非表示/違反報告)
おかき(プロフ) - 続きが気になる、!続きを楽しみに待ってます!! (11月29日 22時) (レス) @page35 id: 3161f0695a (このIDを非表示/違反報告)
始まりの神:トワイライト・ジェネシス(プロフ) - りんごポップコーンさん» ありがとうございます!資格試験が片付いたのでまた書き始めます!遅くなり申し訳ないですが、またいつか読みに来てくださるととてもうれしいです…! (7月10日 22時) (レス) id: 5d704cea99 (このIDを非表示/違反報告)
りんごポップコーン - 続きが気になります!良ければ、また書いてくださらないでしょうか…? (2023年1月22日 8時) (レス) @page31 id: 56aae56e91 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:∧∧ネコミミ∧∧ | 作者ホームページ:   
作成日時:2022年6月24日 21時

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