File 5-C: 探偵たちの暗号解読 ページ26
「で、詰まってんのか」
「見ての通りです」
私の隣の席に座った松田さんに、工藤くんらは軽く会釈し討論を続けた。
松田さんは私の手元のノートを覗き見てはホワイトボードの数字を見比べる。殴り書きを見られるのは恥ずかしいのだが。
「0が多いな」
「そう、そこなんですよ松田さん。異様に0が多いんですよね」
ポツリとこぼす松田さんの言葉に、工藤くんが人差し指を立てながら食いつく。どういうことかと首を傾げれば、赤井さんが補足してくれた。
「0は不変の数だと言われている。掛け割り、君の言う進数変換でも0は0のままだろう」
「確かに。現状0がこんなに多いし、足し引きを含む暗号化は行われていないと考えた方がいいですね。それか、0自体に意味があるのかなぁ。句読点だと多すぎる、スペースでもないし、取り消し……うーん」
あまりに手がかりが無さすぎて、憶測で物を語るしかない。あれも違うこれも違うと唸る私のそばで、松田さんは指でテーブルを叩きながら数字を読み上げる。
そういえばそんな感じの言語あったな……なんて言ったっけか。
PCを自分側に引き寄せ、キーボードを叩きだす。私の動きに気づいた松田さんが横から画面を覗いてきて、彼の髪の毛が首に当たってくすぐったい。
「……松田さんと夢路さんってそういう仲なんですか?」
「あん? そういうってどういうだよ……それより、夢路お前の何調べてんだ」
「モールス信号です」
工藤くんと松田さんが何かを言ってるが耳に入らず私は一覧表を見る。
「んー、違った。3以上の数字はないや」
「もしかしてツーを数えてます?」
「そそ、ツーは1でツーツーは2でトンは全部0かなって。でも連続するツーは3が最大だから違うみたい」
そう言うが早いか、工藤くんが考え込み、降谷さんは私に指示を出した。
「夢路、お前の解読作業の結果出てきた数字全て書き出せ。全てだ」
「はぁい」
ちょうどノートに書き写していた。ビリビリと切り離しホワイトボードにペタペタ貼る。めちゃくちゃ膨大な数字になったやつもあるけど、全てと言われたからには全てだ。
「夢路くん、結果複雑な数字になったやつは右に、シンプルな数字になったやつは左に配置してくれ」
「主観で?」
「あぁ、それでいい」
ペタペタ並べ替える。
「Aさん、最初8についてなんて言ってました?」
「8という数字に拘りそうだからそれ使って何かやってそう〜って」
8888人になったからテロすっぞ! なんていう幼稚な集団なら、尚更だ。
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始まりの神:トワイライト・ジェネシス(プロフ) - おかきさん» 更新が本当にゆっくりで申し訳ないですが、そのように言っていただいて嬉しいです!今後もゆっくり確実に更新していきますので、思い出したときに見ていただけると幸いです! (3月21日 1時) (レス) id: 5d704cea99 (このIDを非表示/違反報告)
おかき(プロフ) - 続きが気になる、!続きを楽しみに待ってます!! (11月29日 22時) (レス) @page35 id: 3161f0695a (このIDを非表示/違反報告)
始まりの神:トワイライト・ジェネシス(プロフ) - りんごポップコーンさん» ありがとうございます!資格試験が片付いたのでまた書き始めます!遅くなり申し訳ないですが、またいつか読みに来てくださるととてもうれしいです…! (7月10日 22時) (レス) id: 5d704cea99 (このIDを非表示/違反報告)
りんごポップコーン - 続きが気になります!良ければ、また書いてくださらないでしょうか…? (2023年1月22日 8時) (レス) @page31 id: 56aae56e91 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:∧∧ネコミミ∧∧ | 作者ホームページ:
作成日時:2022年6月24日 21時