File 5-A: 探偵たちの暗号解読 ページ24
武器は米国から海路で。正確にはいくつか国を挟み船を変え人を変え深夜3時に日本に届く。
内容物はほぼ全てホームセンターでも揃うようなものたち。それを信者の手で組み立て爆弾を作り出すらしい。これも、諸伏さん情報。
盗み出されたデータには器用にその経路と到着時間、場所が暗号状態で残されていた。
「Aさん、こんばんは」
「工藤くん! こんばんは、ごめんね急に呼び出しちゃって」
「いえ! 暗号解くって聞いたので!」
暗号とかいうどう考えても脳を捻る物体に対し期待で目を爛々と輝かせる彼は、かつて高校生探偵で名を馳せていた工藤新一くん。今や大学生探偵となった彼は相変わらず年上であることが恥ずかしくなるほどの推理力を見せては捜査一課に協力している。
彼は、クソおもしれーガキがいると松田さんに紹介されたんだったか。
「おい夢路、協力者ってまさか……」
「工藤くんと赤井さんです。隣の会議室で部屋とってるんで降谷さんもどうですか?」
「……部外者に協力を要請する公安がどこにいる……」
「だって降谷さんに泣きついても、使うものちゃんと使えってヒントもくれないじゃないですか!」
がっくりと項垂れた上司を見て、私は反論することで怒りを表す。会議室の鍵が私の手の中でチャリチャリと金属音を鳴らした。
「だから私使いました。……私の使えるもの、それ即ち、人脈!」
「僕が言ってたのはその中身が空っぽな脳みそのことだ!!」
ぶい! と鍵を持った手でVサインを出してやれば、限界がきた降谷さんが机に突っ伏しながら拳で机の表面を思い切り叩いた。
「まぁまぁ降谷さん、いいじゃないですか。あの頃を思い出しますね」
「警察の真似事がしたいなら警察になれと言っただろ……僕が口利きするのに」
「僕は探偵がやりたいので!」
にっこり。あの大女優工藤有希子の遺伝子を見せつけるように浮かべる無垢な笑みに、降谷さんが気圧されている。この2人は私が工藤くんと知り合う前から知り合いらしい、詳しい話は知らないけど。
そんな2人を眺めていると、企画課室の入り口にもう1人が気配もなく現れる。
「夢路くん。部屋はこの隣か?」
「あ、赤井さーん。ですです! 工藤くんいきましょ。降谷さんきます?」
「ッ……君がいらない情報喋りそうだから行くよ!」
半ギレ状態の降谷さんは珍しい。イラつかせることは得意だが、彼の調子を乱せる機会はなかなかないので、楽しいとしか感じない。
「私もそう思うんで助かりまーす!」
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始まりの神:トワイライト・ジェネシス(プロフ) - おかきさん» 更新が本当にゆっくりで申し訳ないですが、そのように言っていただいて嬉しいです!今後もゆっくり確実に更新していきますので、思い出したときに見ていただけると幸いです! (3月21日 1時) (レス) id: 5d704cea99 (このIDを非表示/違反報告)
おかき(プロフ) - 続きが気になる、!続きを楽しみに待ってます!! (11月29日 22時) (レス) @page35 id: 3161f0695a (このIDを非表示/違反報告)
始まりの神:トワイライト・ジェネシス(プロフ) - りんごポップコーンさん» ありがとうございます!資格試験が片付いたのでまた書き始めます!遅くなり申し訳ないですが、またいつか読みに来てくださるととてもうれしいです…! (7月10日 22時) (レス) id: 5d704cea99 (このIDを非表示/違反報告)
りんごポップコーン - 続きが気になります!良ければ、また書いてくださらないでしょうか…? (2023年1月22日 8時) (レス) @page31 id: 56aae56e91 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:∧∧ネコミミ∧∧ | 作者ホームページ:
作成日時:2022年6月24日 21時