【警察学校組】七光り公安はお前らのオモチャ【名探偵コナン】

File 4-D: 潜入調査 ページ23

パチクリと赤井さんが目を瞬かせて、隣に座る私を見てきた。
理由はシンプル。

「俺が知らない間に、夢路くんはFBIに所属していたのかな」
「昨夜です昨夜」
「あら、Aなら大歓迎よ。早速ジェームズに話通しておこうかしら」
「上司である僕の目の前で引き抜きはやめてください。夢路、戻ってこい」

昨夜散々諸伏さんにも降谷さんにも揶揄われて、私の警戒心はハリネズミだ。誰にも触らせんぞう、の気持ちでいー！ と歯を見せてやれば、降谷さんのこめかみに青筋が浮かんだのが見えた。

「降谷くんの目の前でなければ良いということか。夢路くん、今夜飯でもどうだ？ 我々が奢ろう」
「この身を一生FBIに捧げます」

赤井さんに頭を撫でられ、私は一瞬で篭絡する。きゃほーと頭グリングリン撫で回されるのを楽しんでいれば、降谷さんがガチギレの表情で立ち上がったのが見えた。目が本気である。

「公安夢路、日米合同会議をはじめまーす」

戦争が始まる前に私はすくりと立ち上がって本来充てがわれているべき公安の席に戻る。違うんです資料をね、FBIに配るためにそこにいただけです。多分。

「じゃ、手元の資料をご覧ください。刑事側の現場捜査と公安側の潜入調査により得られた情報がまとめられています。まず驚異的な信者の増幅、そして今度は米国でもテロを企てているという情報。いよいよ事態が深刻化してきました」

一気に部屋中の空気がピリリと張り詰め重苦しくなる。

「8888人の信徒が揃ったからテロって……正気なのかしら」
「その沙汰を私も疑います。ただ、イカれてると本気じゃないは同義語じゃなく、油断してると単純計算最低でも8888人の無関係な一般人が巻き込まれるわけです」

流石の私でもふざけている余裕はあまりない。12年前は各信徒1人ずつ人質に取ったが、今回は確実に楽園へ行けるようそれ以上をとるかもしれない。
それをジョディさんもわかっているんだろう、shit、と小さく悪態をつく。ところで美人が悪態をつくのってなんか背徳的な芸術性があるよね。

「幸い今はまだ我々が先手を打てています。計画段階で、潰しましょう」
「アメリカのパイプがまさかここまで太いとは、我々も予想外だったな」
「えぇ、日米同時テロだなんて前代未聞よ。公安とFBI、国ごとに手分けしての対応になりそうね」

真面目な表情に隠れてるキャメルさんの顔が少し寂しそうだ。今夜は美味しい和食に連れてってあげよう。

「決行は、情報が揃い次第なるべく早くがいいですね」

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