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File 4-B: 潜入調査 ページ21

諸伏さん、今は偽名:赤西悟さん。いいや面倒臭いから諸伏さんで。
彼が潜入して早3ヶ月が過ぎた。とんでもない順応力で、彼は幹部の人たちとも仲良くなり、永遠論について語り合ってるらしい。永遠論って何?

「夢路、悪いがちょっと出てくれるか」

特に悪いとも思ってない顔で降谷さんは私にお願いとやらをしてきた。ちなみに今の時刻は21時。今日も今日とて泊まり込みになりそうだ。

「……なんでしょう」
「これが終わったら家帰っていいから。景からデータを受け取ってきてほしい」
「え、現場に行けってことです?」

こくりと頷いた人使いの荒い上司に、だが久々に家に帰れる有り難さから渋々私は必要最低限のものを持って出ようとする。そんな私を呼び止めるのも、結局降谷さんで。

「スーツで行くな、目立つから。そこのロッカーに僕の潜入用のパーカーとキャップがあるから着替えていけ」
「絶対サイズ合わないやつじゃないですか!」

結論、彼のパーカーは私のワンピースでした。

現場に到着し、私は時間になるのを待つ。手持ち無沙汰に手元を弄っていると、ふわりと降谷さんの香りがしてとても居心地が悪い。
まるで乙女みたいな気持ちになってしまって、私は慌ててかぶりを振る。いけない、全世界の女性に滅多刺しにされてしまう。

コンコン、と私が寄りかかってる壁から音がして、私はハッと息を呑む。コン、コ。ココンと決められたテンポでノックを返せば、私が待機している路地裏の入り口に影がさす。そこにはフードを被り、煙草を吸う諸伏さんがいた。

「……ん、Aちゃんだったのか」
「赤西さん、お久しぶりです」

どこで誰が聞いているかわからない。私は諸伏さんの今使っている偽名で彼を呼んだ。

「ん、ちょっと煙草休憩してる」

そう言いながら、煙草を咥えてふうと息を吐く。揺蕩う煙が私の身に降りかかって、呼吸が自然に浅くなった。
普段の諸伏さんなら非喫煙者である私にこんなことはしない。今の彼は、スコッチ、なのだろう。

「こんなところに、何の用?」
「赤西さんがここにいるって聞いたので、」

空いている手で、諸伏さんが私の頬を撫でる。そのまま滑らせるように、私のパーカーのフードにぽとりと何かを落とした。受け取るはずのUSBだ。
よし、あとはこれで帰るだけ、と拳を握りしめた。

「随分、可愛い格好してるね。他の男の匂い染み着かせてる」
「え、あ、これ、安室さんのです」

咄嗟に降谷さんの名前誤魔化した私とても偉い。

File 4-C: 潜入調査→←File 4-A: 潜入調査



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設定タグ:名探偵コナン , 警察学校組 , DC   
作品ジャンル:ラブコメ
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始まりの神:トワイライト・ジェネシス(プロフ) - おかきさん» 更新が本当にゆっくりで申し訳ないですが、そのように言っていただいて嬉しいです!今後もゆっくり確実に更新していきますので、思い出したときに見ていただけると幸いです! (3月21日 1時) (レス) id: 5d704cea99 (このIDを非表示/違反報告)
おかき(プロフ) - 続きが気になる、!続きを楽しみに待ってます!! (11月29日 22時) (レス) @page35 id: 3161f0695a (このIDを非表示/違反報告)
始まりの神:トワイライト・ジェネシス(プロフ) - りんごポップコーンさん» ありがとうございます!資格試験が片付いたのでまた書き始めます!遅くなり申し訳ないですが、またいつか読みに来てくださるととてもうれしいです…! (7月10日 22時) (レス) id: 5d704cea99 (このIDを非表示/違反報告)
りんごポップコーン - 続きが気になります!良ければ、また書いてくださらないでしょうか…? (2023年1月22日 8時) (レス) @page31 id: 56aae56e91 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:∧∧ネコミミ∧∧ | 作者ホームページ:   
作成日時:2022年6月24日 21時

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