【警察学校組】七光り公安はお前らのオモチャ【名探偵コナン】

File 3-D: 日米合同調査 ページ19

キィン、と耳鳴りのような飛行機のジェット音。沢山の言語が行き交う空港は、いつ来てもまるで異国の1ページを覗いた気持ちにさせてくれる。アナウンスとスーツケースのタイヤが転がる音に、追いかけなければいけないフライトもないのにどこか勇み足になった。
到着者出口でミニボードを持っている人を見て、自分も持って来ればよかったかと思ったが、流石に彼らの名称を記載したボードを出してしまうとプチパニックになりそうだと思い直した。

到着者が出口まで歩いてくるところを映すカメラ映像に、懐かしい姿を見つけた。勝手に浮かぶ笑みに、握りしめた鉄柵の冷たさが落ち着けと語りかけてくる。

あぁ、出てきた。

「Hey, right here Jodie!(ここだよジョディ！)」
「A！」

手を振って自分の位置を知らせてやれば、ジョディは嬉しそうにスーツケースを引きながら私の元へ駆け寄ってくる。そのすぐ後ろにはアンドレさん、そして赤井さんが続く。

「久しぶりー！」
「お久しぶりです！ ジョディも皆さんも元気そうで何よりです！」
「君もだ、Aさん」

ジョディと両手を握りしめあいながら再会を喜ぶ。アンドレさんと赤井さんも、笑顔を浮かべてそんな私たちを見てきた。

「驚いた、夢路くんは英語も堪能だったんだな」

赤井さんにそう言われ、知らなかったかと思い出す。まぁ、日本で仕事している以上なんだかんだ英語は使う機会がない。私の英語力も埃を被ってしまってから随分経つ。

「You gotta be a bit special if you wanna work under “him”, y’know? (「彼」の元で働くにはある程度の才能は必要でしょ？)」
「……Ha! You’re right.(ハッ、それはそうだな)」

大学はアメリカで4年の正規留学。発音に関してだけは、自信があるのだ。
ま、英語できる程度じゃ降谷さんの元で働くのは難しいけどね。

「今回ジェイムズさんは来れなかったんですか？」
「流石にアメリカに害が及ぶかどうかわからない段階でボスは送れないからねぇ。私たちも招集あればすぐアメリカに戻らないといけないのよ」
「はえー、大変ですね。じゃああまり長引かせたくないですね」

3人分のスーツケースを手荷物ワゴンにえっちらおっちら乗せて歩き出そうとすると、アンドレさんが代わり押すと申し出てくれた。
にしても赤井さんの荷物少なすぎない？ 修学旅行かな？

「いやー、私は嬉しいですけどね。好きなんですよ、和食！」
「あ、じゃあ今夜は私おすすめの美味しい和食にいきましょう！」

File 4-A: 潜入調査→←File 3-C: 日米合同調査

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す