・ ページ17
「え、まって、なんでここに…？」
「…体調崩したって茨から聞いて。それで来たんだ」
「閣下が絶対行くと言い張りまして…これだと打ち合わせが出来ないので、お伺いしたのであります！あれから体調はどうです？」
「まぁ変わらずかな…でもありがとね。顔見れただけで少し元気出たよ。移すと悪いから、帰った方がいいよ」
「…でも、顔色よくないよ？」
「閣下の言う通りであります。篠崎さんの事でしょうから、まともに食事もしてないのでは？」
うっ…茨くん痛いとこ突いてくるなぁ。実際電話してすぐに眠ってしまった為、薬どころかご飯さえちゃんと食べてなかった。でも、このままだと2人に風邪を移してしまう。アイドルに風邪を移すなど、プロデューサー失格ではないか。
「…茨、お願いがあるのだけど」
「はい？」
「…Aさんの看病しちゃダメかな？」
「え!?凪砂さん正気ですか!?いったた…」
凪砂さんの爆弾発言に、思わず大声を出してしまったが、ただ自分の頭に響いて痛みが増すだけだった。思わずこめかみを抑えてしゃがみ込むと、「…大丈夫？」と凪砂さんが私と同じ目線までしゃがんで、頭を撫でてきた。
「閣下に同意です。このままだと、治るものも治りが遅くなるだけです」
なんて茨くんは「おじゃまします」とだけ言い、私の家に入っていった。何が起こっているのかいまいち理解できていない私は、その場でまたもやフリーズした。
「閣下！篠崎さんをこちらまで連れてきていただけますか！」
「…うん、わかった。ちょっとごめんね」
「え…？えぇ!!???」
奥から茨くんの声が聞こえてきた。多分場所的にキッチンにいるのだろう、ガサガサとビニールが擦れる音も聞こえてくる。すると凪砂さんは、ひょいっと私を横抱きにした。
ん？いやまて、横抱き？え？
「凪砂さん!?まって重いですよ!?」
「…ううん、大丈夫。それよりちゃんと掴まってて。危ないよ？」
「ひっ…」
思わず首に腕を回してしまったが、これって欲に言うお姫様抱っこというものでは…？
とにかく顔が近い、無理死にそう。そしていい匂いがする。いやまて自分、そうじゃない。
凪砂さんは器用に家のドアと鍵を閉め、靴を脱いで家に上がった。凪砂さんが私の家にいる…いやそうじゃない落ち着け自分、いや落ち着いていられるか。未だかつてないくらい、私は顔を赤くしていた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 165人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「あんスタ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
蒼月°(プロフ) - エルさん» ありがとうございます！更新物凄く遅いですが、頑張ります！！！ (2021年7月2日 0時) (
レス) id: 100244ef32 (このIDを非表示/違反報告)
エル(プロフ) - すごく面白かったです！続き楽しみにしてます (2021年6月29日 2時) (レス) id: 519c259dd3 (このIDを非表示/違反報告)
蒼月°(プロフ) - 水斗さん» はじめまして！嬉しいお言葉ありがとうございます！仕事の関係もありまして、本当にたまにしか更新出来ませんが頑張らせていただきます！ (2021年5月2日 1時) (レス) id: 5479b67d21 (このIDを非表示/違反報告)
水斗 - このお話とっても好きです！これからも続けて下さい！応援してます！ (2021年4月30日 18時) (レス) id: 276e527073 (このIDを非表示/違反報告)
蒼月°(プロフ) - kazu-mochiさん» ひえっ…こちらこそ更新遅くなってしまい申し訳ないです…ああああ嬉しいお言葉ありがとうございます…是非是非！！！！もう色々とありがとうございます… (2021年4月24日 23時) (レス) id: 5479b67d21 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
