protect（改）～序章～ (ページ9)

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異変ページ9

「はぁー、美味かったな」

「…おかしいよね、今日オレたちの卒業祝いなのに」

あの後、結局三人でジャンケンになって父さんが見事勝利
みんなでプロカンジャンケジャンを食うはめになった

美味かったですよ？美味かったけど…
食いにくかった…

「明日はハンバーグね！」

「あっ、ズリぃ！麻婆豆腐！絶対！」

「はははっ(笑)考えとくよ」

そんな他愛もない話をしていると、あっという間に家についた

が、オレたちの足はそこで止まる

「……なに、この車」

家の前には真っ黒なベンツが横付けされていた
そう、ヤクザ映画とかに出てくるようなイカツイやつ

「……まさか、話には聞いていたが…」

父さん？

「昭さんっ…」

雅紀…まぁくん？

ね、父さんのこと、なんでそんな他人行儀な呼び方するの？

バタン

黒い車から、これまた黒い男が出てきた

「お待ちしておりました、和也様」

「僕…ですか…？」

うやうやしく傅いた男がオレの腕を掴む

「御同行願えますか」

その言葉には有無を言わせぬ響きがあって身体が寒くなる

「っ、離してくださいっ！！！」

必死に抵抗するが、掴んだその手だけは絶対に離れない

っ！どうなってんだよ！？

「やめてください！」

…まぁ、くん？

「オレ…僕にやらせてください…」

今更ながら、オレの頭の上に振り上げられていた男の手に気づいてゾッとした

「…いいだろう」

オレだけをおいて、話が進んでいく

ねぇ、どうなってんの？
父さんはなんでなにも言わないの？

「和…」

「まぁ、くん…」

助けてよ…？

「ごめん…！」

首元に激痛が走る

身体がぐらり、と傾いた

どうして……
なんでふたりとも、泣いてるんですか？

「ど……して…？」

オレの意識はそこで途切れた

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