▽4 心のスパイス ページ4
机に並べられたのは、カレー。予想通りだった。昔から姉はカレーが大好きだ。
――なんとみんな優しいことに、私は姉の隣にいる。別に嬉しくはないが、みんなの気遣いが感じられたので良かった。みんなで楽しくご飯を食べている。
……が、更に隣の人から物凄い圧を感じる。
「監督、この人誰。俺と監督の間に入るとか許さない」
この人は姉が好きなのだろうか。やっぱり姉は愛されている。
「……私は立花A。この人の、妹」
姉を指さしながら説明すると、とても驚いた顔をしている。
「俺の将来の親戚……」
「妙なこと言うな、碓氷」
左京に碓氷、と呼ばれたその人は少し不貞腐れながらカレーを黙々と食べ始めた。
姉から聞くと、彼は碓氷真澄と言うらしい。まぁどうせ今後関わることもないだろうと思っているが、一応覚えておく。
「そういえばカレー星人はカレーが好きだけど、あんたは何か好きなものあんの?」
全く話さない私を見かねたのか、前下がりのボブカットの緑の髪の子が言った。可愛らしいが、男だという事実に驚きだ。
「……チョコレート」
ぽつり、と呟いた。思えば、カレーのルーとチョコレートって似てるよね、なんて。
「カレー星人にチョコ星人ねぇ」
「チョコ星人だと響きが可愛いね!!」
姉は楽しげに笑っていた。同じように扱われるのは嫌なのだが。
なるべく早く食べ終わらせて食器を片付けていると、先程話したミルクティー色の髪の人が声をかけてきた。
「ねぇ、この場にいるのは楽しくないの?」
「……楽しいですよ。私無表情なので分かりにくいと思いますが」
「それは見てれば分かったけど、多分思ってないよね。何か嫌なものでもあるの?」
――見抜かれている。
ただ、あなたの劇団の監督が嫌いです、なんて言ったら何を思うだろうか。
「……別に」
私は無愛想に答えてその場を離れた。
「あれ?A帰るの?」
姉の声が聞こえる。別に長居するつもりは無い。
「うん。これ以上お世話になる訳にはいかないから」
「別にいいのに、みんなAと話したいと思ってるよ」
私は、その言葉に無性に腹が立った。
「適当なこと、言うな」
声が震えていた。強がろうと、必死に前を向く。
「私、今日はお姉ちゃんに会うために来たわけじゃないから、本当は。お姉ちゃんの事なんて、好きじゃないし」
最初に嘘を吐いたことが左京にバレただろうか。別に良い。いくらいい子ぶったって振り向いてくれることは無いのだから。
スパイスを食べたときみたいに胸が痛くなった。
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あいちゃん(プロフ) - 柚子さん» ((･∀･*)(*･∀･))ｨｪｨｪ♪嬉しいです！真澄落ちは少ないので…だいたいが監督と真澄って感じなのでこの小説見つけた時は嬉しいかったです！ (2018年1月20日 21時) (
レス) id: 9afa5d89f1 (このIDを非表示/違反報告)
あいちゃん(プロフ) - その後主人公は誰と付き合うのかストーリー欲しいです！続編お願いします(＊-人-) (2018年1月19日 18時) (レス) id: 98e3bdc9b3 (このIDを非表示/違反報告)
柚子は多忙で更新停止中(プロフ) - いぎさん» ありがとうございます！亀更新ですので更新まで長いですが気長にお待ちください(`･ω･´) (2017年12月2日 19時) (レス) id: 0f9b565f22 (このIDを非表示/違反報告)
いぎ(プロフ) - 面白くて一気に読んじゃいました！！続き楽しみにしています！！ (2017年12月2日 9時) (レス) id: 71787ff6cd (このIDを非表示/違反報告)
柚子(プロフ) - 雪見さん» 夢主がある日をきっかけに嫉妬の目でしか見られなくなり嫌いになってしまっただけでお互い良い子というつもりで書いてます。私の文章が拙く伝わりづらくて申し訳ないです(^^;) (2017年9月21日 19時) (レス) id: f3b070ef7e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：柚子 | 作成日時：2017年8月20日 18時
