▽30 月とナイフ ページ30
重たい扉を開けると、真っ暗な倉庫の中に僅かな月明かりが差し込んだ。
扉の音と月明かりで中の人が全員こちらを向く。
「あぁ?誰だよ……」
「な、んで……」
ギラついた狼のような瞳をした人と、床に倒れ込んでいる左京が声を出した。
「左京!!」「左京さん!!」
状況を理解し、私とお姉ちゃんは叫んで、近付こうとしたが、
「来る、な……!!」
左京の掠れた声の喚起によって近付けなかった。
「なんだよお前ら。こいつの知り合いか?」
そういって左京の腹部を軽く蹴飛ばすものだから、思わず飛びかかろうとしてしまった。が、そこを真澄に止められた。すると真澄が迫力のある声で話し出す。
「そうだ。お前らこそなんなんだ」
「俺は五十嵐。昔こいつと知り合いでな。よくこいつらの報酬横取りしたりしてさぁ……殴らせてもらったりしていい思い出だ」
背筋が凍った。殴らせてもらうって、一方的に殴っていただけなんじゃないの――。
「ふざけないで、左京を……銀泉会の皆さんを返してください!!」
「おぉ、怖ぇ怖ぇ。でもその目付き、嫌いじゃないぜ、嬢ちゃん」
何処か馬鹿にされているような話し方に苛立っているところ、五十嵐といったその男は隣のお姉ちゃんに目をつけた。
「隣の娘は可愛いじゃん?こっちにおいでよ」
思わずお姉ちゃんの手を強く握った。行っちゃ駄目。それくらいお姉ちゃんだって分かっているはずだ。
私達はそこから動かないようにしていたが、左京も私達もこれ以上動かないとみて五十嵐が近付いた。
そして、ポケットからナイフを出した。
それをお姉ちゃんの首元にピタリと宛がった。
少しだけ怖気付いたようだったが、お姉ちゃんはそれを態度に出すことは無かった。
すると舌打ちをし、つまんねぇなと呟いた。
「今日の所はお仲間の勇気を讃えて帰ってやるよ、古市。次は覚悟しとけ」
その言葉が本当かは分からなかったが、それを事実と示すように行くぞ、と言って全員を連れて倉庫から出ていった。
「はぁ……怖かった」
お姉ちゃんが呟いて、何も無かったことを確認すると左京に近付いた。私達もそれについていく。
「左京さん、大丈夫ですか?」
「情けねぇとこ見られちまったな……お前らを危険な目に遭わせて……本当にすまない」
左京は既に傷だらけで、涙を浮かべていた。
「左京、立てる?一緒に、帰ろう……」
ふらつきながらもゆっくりと立ち上がる。所々血が流れていた。
帰ろうとした所に、銀泉会の会長さんが声をかけてきた。
―――
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あいちゃん(プロフ) - 柚子さん» ((･∀･*)(*･∀･))ｨｪｨｪ♪嬉しいです！真澄落ちは少ないので…だいたいが監督と真澄って感じなのでこの小説見つけた時は嬉しいかったです！ (2018年1月20日 21時) (
レス) id: 9afa5d89f1 (このIDを非表示/違反報告)
あいちゃん(プロフ) - その後主人公は誰と付き合うのかストーリー欲しいです！続編お願いします(＊-人-) (2018年1月19日 18時) (レス) id: 98e3bdc9b3 (このIDを非表示/違反報告)
柚子は多忙で更新停止中(プロフ) - いぎさん» ありがとうございます！亀更新ですので更新まで長いですが気長にお待ちください(`･ω･´) (2017年12月2日 19時) (レス) id: 0f9b565f22 (このIDを非表示/違反報告)
いぎ(プロフ) - 面白くて一気に読んじゃいました！！続き楽しみにしています！！ (2017年12月2日 9時) (レス) id: 71787ff6cd (このIDを非表示/違反報告)
柚子(プロフ) - 雪見さん» 夢主がある日をきっかけに嫉妬の目でしか見られなくなり嫌いになってしまっただけでお互い良い子というつもりで書いてます。私の文章が拙く伝わりづらくて申し訳ないです(^^;) (2017年9月21日 19時) (レス) id: f3b070ef7e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：柚子 | 作成日時：2017年8月20日 18時
