先輩。

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平野side


「あっち〜」


今は体育祭の練習中




休憩で水を飲んだ後ふとグラウンドを見ると
Aを見つけた。


クラスの友達と何やら騒いでいるみたいや。


話し込んでたかと思えば急に笑い出して
かと思えば急に始まるおいかけっこ


ほんま、見てて飽きひんわ。



「紫耀〜？何見てんの？顔にやけてるよ？」

「え、うそ。」


クラスの女子にそう言われる

無意識に頰が緩んでいたらしい

「そういえば私ね、騎馬戦でるの！応援してくれる？」

上目遣いでこちらを伺う女子

可愛いんやろうけど、、
俺は騎馬戦と聞いてAを思い出してしまった。


「んー。」


適当に返事をする

それでもそのまま話し続けるそいつに適当に相槌を打つ。



最近は女子に話しかけられることが前よりも増えた

これも全部あいつ...廉のせいや。
最近来てへんから俺が1人になっとる。

まあきっと、例の"お気に入り"となんかあったんやろうけど

今日は来てるんやけどだるいー言うてずっと水道場でダラダラしとる。




そんな時ふと聞こえた声


「あの子、クッソかわいくね？」

「それな！2年の、Aちゃんやろ？」


男子の会話に出て来たAの名前


「可愛いよな〜。」

「やばいよな。あのサイズ感といい顔といい可愛すぎるし。あ〜付き合いてえ」

「お前、うるせえよw」




・・・なんや、気分悪い。



たしかにAはかわいい

3年の間でもずっと噂になってる。


可愛いうえに愛想もいい

そんな子がモテないわけがない。


まあ本人は気づいてないやろうけど




でも俺にはそれが気に入らない。

あいつの可愛さをみんなが知らんでええなんて思ってしまう


そんな時だった



「お前らうるさいわ。サボってないで練習しろや」

ずっとサボってた廉がそいつらに話しかけた

...ん？なんか廉、怒っとる？


「なんだよ廉。お前も思うだろ？あの子。
ちょー可愛くね？」

「知らん。てか俺は寝たいんや。あっちでやれや。」

「なんだよ〜つまんな。いこーぜ。」


そう言ってその男子たちは去って行って

そのあとの廉をみて俺は驚いた









廉はAを振り返りそして、
愛おしそうに見つめていたのだ。


あんな廉の顔、俺でも見たことない。


微笑むようにAを見たあとすぐに苦しそうに顔を歪める









心がざわついた。









嫌な予感がした。

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