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『なぜ現代と隔絶することで、事実を隠蔽できると考えたんですか?』


別に私達が情報を受け取ることができなければそれでいいような気がするけど。


葛葉「現代、情報の受け取り方は紙や言伝だけではありません。色んな方法で情報が交換されているんです。彼らが最も恐れたのは、Aさんたちに疑問を抱かせることなんです。何故自分は外に出ずに暮らしているんだろう、と。だからこそ、情報交換の手段を学ばせないことで、知らない人間となにか関わり合いたい、という意識すらも生じさせなかった。
外国の文化も現代文化の一つに数えられます。異文化が日本に流入した当時は日本のほうが遅れていましたから日本にとってそれは未来的な文化だったんです。今では日本も外国に遅れを取らない国になっていますが、それでも頑なに昔の様式を保ってきたんでしょう。」


『じゃあ、わざと知識が与えられなかった、と。生贄であることを悟られないために。』


葛葉「ああ、あと、言い伝え、聞いたことあるでしょう?」


『吸血鬼のですか?』


葛葉「はい」


『あります。ずっと信じていませんでしたけど、ようやく今、信じました。』


葛葉「それも奴らの狙い通りっぽいですね。」


『え!?逆効果な気がしませんか?』


葛葉「でも、あまりに現実味がなさすぎて信じなかったでしょう?」


『それはまあ、そうですけど』


葛葉「どれぐらい前かはわからないですけど、Aさんより前に来た人が言ってたんですよ。言い伝えが本当だったなんて、って。叫びながら逃げていってしまったけど。」


『そうなんですね。』


葛葉「俺がわかるのはこれくらいっすかね。」


『よかったです。死ぬ前にほんとのことがわかって。』


葛葉「え、何言ってるんすか?」


『え、だって私生贄だし。そもそも洞窟に来ちゃった以上どう頑張っても生き延びれないじゃないですか。それなら葛葉さんの食べ物として殺してもらえたほうがいいかな、って。』


紛れもない本心だ。


初対面の生贄である私にこんなに丁寧に話をしてくれたんだから。


葛葉「それ、ガチで言ってます?」


『え、それは、もちろん・・・・・・、そのはずですけど・・・・・・・・・・・・。』


葛葉「ふっざけんなよ!!!!!!!!!!!!!!!!」


大きくて鋭くて、少し傷ついたような怒声が洞窟を揺らした。

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Asuna(プロフ) - Eryngiumさん» Eryngiumさん、ありがとうございます!これからも頑張ります!! (11月27日 7時) (レス) id: ef68d1b102 (このIDを非表示/違反報告)
Eryngium(プロフ) - 完結おめでとうございます!心理描写がとても丁寧ですごく読みやすかったです。これからも活動を応援しています!! (11月27日 0時) (レス) @page22 id: 663ca84b4d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Asuna | 作成日時:2023年11月24日 19時

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