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待って、どういうこと?
今この男は、葛葉さんは、もう生贄とかいらなくて、と言った。
それならなぜ未だに私の村には生贄をこの洞窟に送る風習があるのか。
なぜ今まで送られた生贄は帰ってこなかったのか。
葛葉「あー、まあそうなりますよね。」
『そうですね、驚きました。』
葛葉「・・・・・?怒らないんすか?」
『なんで私が怒らないといけないんですか?』
別に私があなたになにかされたわけではないんですけども?
葛葉「だって、今までの人は無駄に生贄として送られてきて、死んでいった、ってことになるんで、怒られても当然かな、って。」
あ、なるほど。
『つまり、葛葉さんは私の前に来た生贄たちとも似たような話をして、怒られたことがある、ってことですか?』
葛葉「いや、こんなに話したのAさんが初めてっすけど。」
『え?』
葛葉「なんていうか、今まで来た人たちって俺のこと見つけた瞬間叫んで逃げてっちゃったんで。」
『ああ、そうなんですね。』
葛葉「はい。え、このまま立ち話続ける感じっすか?。」
『違うんですか?』
葛葉「まあ多分俺がいつも過ごしてるところの方が居心地はいいんじゃないっすかね。」
『え、ほんとですか?じゃあまずそっち行きます。』
葛葉「適応早っ。・・・・じゃ、とりあえず行きましょうか。」
『はい。』
葛葉さんは私を先導するように歩き始めた。
が、私が進むのが猛烈に遅い。
それもそのはず、私は現在白無垢姿なのだ。歩けるはずがない。
葛葉「・・・・歩きにくいっすよね、それ。」
『まあ、歩きやすくはないですよね』
葛葉「あー、・・・・・ちょっとすいませんけど我慢してください。」
体温に包まれたと思った瞬間、今までに感じたことのない感覚があった。
数秒ののちなんとなく安定したような感じがして恐る恐る目を開けると、すぐそばには葛葉さんの顔があり、なんと私は空中にいた。
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Asuna(プロフ) - Eryngiumさん» Eryngiumさん、ありがとうございます!これからも頑張ります!! (11月27日 7時) (レス) id: ef68d1b102 (このIDを非表示/違反報告)
Eryngium(プロフ) - 完結おめでとうございます!心理描写がとても丁寧ですごく読みやすかったです。これからも活動を応援しています!! (11月27日 0時) (レス) @page22 id: 663ca84b4d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Asuna | 作成日時:2023年11月24日 19時