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エピローグ-ある現代の話- ページ22

最近ずっと疲れている。


入社した会社が思ったよりブラックだった。


今日は新入社員が入ってくる日ということもあって、昨日までの仕事は猛烈にしんどかった。


新人に渡す資料がセットされていることを確かめ、もうすぐ来るであろうその子を待つ。


事前に確認していた資料では、優秀そうだったが、この会社の激務に疲れて体調を崩していってしまわないか、とても心配なところである。


部長「よし、みんな注目してくれ!」


自動ドアの音とともに部長の大きめな声が聞こえた。


部長「今日から新入社員として働いてくれる、葛葉くんだ。」


葛葉くん、変わった名前だな、と思いながらも拍手を送る。


葛葉「今日からここで働かせてもらえることになりました、葛葉です。よろしくおねがいします。」


そう言って顔を上げた葛葉くんの目は赤かった。


・・・・・・・・・知っている。私はその目を知っている。


どこかはわからない。いつかもわからない。


ただ、遠いどこかの記憶の中にその目を見たことがある気がした。


部長「次、Aくん、自己紹介を。」


『ああ、はじめまして、山ノ内Aです。これからよろしくおねがいします。』


その時、葛葉くんが目を少し見開いた気がした。


まるで、私のことを知っていて、ここに私がいることに驚いたかのように。


なぜか引っかかりを感じて、自己紹介が終わっても、その場が一旦解散になって仕事に戻ったときも、葛葉くんのことが頭から離れなかった。


葛葉「あの、すみません、Aさん、っすよね。」


『はい。』


心底驚いた。


やはり彼の赤い目はどこか懐かしさすら覚える何かを含んでいた。


彼に呼ばれるわたしの名前は、ずっと前からそう呼ばれていたと錯覚するくらいに耳に馴染んだ。


喋りかけてきた理由がわからず、少し戸惑う。


『もしかして、どこかで会ったことある、とかですか?』


葛葉「え・・・・・・・・・・、なんで・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」


『なんとなく、初めてじゃない気がして。あなたのこと、知ってる気がしたんです。』


私がそういった瞬間、葛葉くんは泣きそうに、それでも嬉しそうに、そしてできる限り優しく聞こえるように、と言った声音で私に言った。


葛葉「やっと、見つけた。」

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Asuna(プロフ) - Eryngiumさん» Eryngiumさん、ありがとうございます!これからも頑張ります!! (11月27日 7時) (レス) id: ef68d1b102 (このIDを非表示/違反報告)
Eryngium(プロフ) - 完結おめでとうございます!心理描写がとても丁寧ですごく読みやすかったです。これからも活動を応援しています!! (11月27日 0時) (レス) @page22 id: 663ca84b4d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Asuna | 作成日時:2023年11月24日 19時

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