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『・・・・・え?今、今なんて?』


葛葉「いや、だから、その・・・・・・、すき、ってはなし・・・・・・・・・・・・。」


『あ、うん、それはわかってるんだけど、うん。』


前ページで偉そうにカッコつけて自分語りしてたけど、いざ言われると、自覚すると流石に恥ずかしい。


面と向かって、好き、となんて言われたことはないし、そもそもこんな感情に陥ったことすらないんだから許してほしい。


葛葉「俺も、Aさんのこと、好きです。」


少し低い、落ち着いた葛葉さんの声が脳の奥に浸透してくる頃にはすでに涙が溢れていた。


汚い汚い感情だけど、綺麗な感情にもなりうるのだろう。


私の涙を見た葛葉さんは、恐る恐る、といったように私の頬に手を伸ばし、親指で涙を拭った。


葛葉「よかった。」


そう言って笑った葛葉さんの目にも涙が浮かんでいて、私は、ああ、と思った。


あのとき笑った葛葉さんよりも、あのとき怒った葛葉さんよりも、その何よりも美しく、そして尊い。


そして悟った。


恋は汚い。


相手に対する執着と、欲望と、そして依存が絡まったものだから。


でも、恋は同時に美しい。


相手に対する執着は、相手をどれだけ大切に想っているか、ということだから。


相手に対する欲望は、それだけ相手と思い出を積み重ねたい、ということだから。


相手に対する依存は、相手をどれだけ信頼しているか、ということだから。


そしてその恋が実るとき、お互いの感情が通じ合うとき、世界は今までの何倍も輝いて見えるのだから。


少し上を見れば、まだ目の水分が多く見える葛葉さんの真っ赤な目があった。


吸い込まれそうなその目に思わず目を閉じれば、唇になにか柔らかく温かいものが触れ、すぐに離れた。


目を開くと、少し顔を赤くしている葛葉さんがいた。


葛葉「あんま、こっち見んな。」


『いやだ。見る。』


私が何年生きれるかもわからないが、この先どうやって生きていくかもわからないが、それでもこの暖かくて、この世の何より美しい感情だけは大事に抱えて生きていこう。


私は思う。






私は









君と









世界一美しい恋をしたのだと。

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Asuna(プロフ) - Eryngiumさん» Eryngiumさん、ありがとうございます!これからも頑張ります!! (11月27日 7時) (レス) id: ef68d1b102 (このIDを非表示/違反報告)
Eryngium(プロフ) - 完結おめでとうございます!心理描写がとても丁寧ですごく読みやすかったです。これからも活動を応援しています!! (11月27日 0時) (レス) @page22 id: 663ca84b4d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Asuna | 作成日時:2023年11月24日 19時

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