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葛葉さんの言葉を否定できるわけがない。


だって、そのとおりだから。


その美しさを、死ぬその瞬間まで享受していたい、手放したくないという執着。


一緒に喋る時間を、あなたの笑う顔を、私だけが享受していたいという執着。


私が今まで持っていなかった、私に足りていなかった感情である執着。


それを初めて教えてくれた葛葉さんが、そうでなくても私に真実を教えてくれ、私の世界を開いてくれた葛葉さんが、私にとっては何よりも必要だから。


『うん。私は死ぬまで葛葉さんと一緒にいたいし、死ぬときはあなたの笑う顔を見ながら死にたい。そう思ってる。』


わかっている。本当はわかっているんだ。


この気持の名前なんてとっくの昔に。


いつか本で読んだその中に描かれていた理想とは程遠く醜いけど、現実的だけどこれらを表すのは同じ二文字だと知っている。


その現実には蓋をして、理想だけを語ろうか。


美しいところだけを、あなたは知っていればいいから。


だから私はこう紡ぐ。


『多分私、葛葉さんに恋してるんだよ。』


汚いものは見えないように、恋という名の執着が、できるだけきれいに見えるように。


葛葉「え・・・・・・・。」


今までとはまた違った表情の葛葉さんも、今の私にとっては嬉しいものでしかない。


驚いているんだろう。


出会ったのはついさっきで、打ち解けたのもついさっきで、恋してる、だなんて様子を微塵も見せなかった私がそう言ったのだから。


でも、少し自惚れたっていいでしょう?


出会ったばかりの人間が生きていけるようにここまでしてくれるだなんて。


少し期待したっていいでしょう?


私に向けてくれる目が、少し優しい気がしたなんて。


無駄でも願ってしまうんだから、今言ったって別にいいでしょう?


それで相手も勘違いしてくれるかもしれないから。


葛葉さん、どう思う?


葛葉「・・・・・・・俺も、多分Aさんのこと、好き、だとおも・・・う。」


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・え?

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Asuna(プロフ) - Eryngiumさん» Eryngiumさん、ありがとうございます!これからも頑張ります!! (11月27日 7時) (レス) id: ef68d1b102 (このIDを非表示/違反報告)
Eryngium(プロフ) - 完結おめでとうございます!心理描写がとても丁寧ですごく読みやすかったです。これからも活動を応援しています!! (11月27日 0時) (レス) @page22 id: 663ca84b4d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Asuna | 作成日時:2023年11月24日 19時

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