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葛葉「思ったより時間かかったわ。」


『いやいや、全然そんなことないよ。』


相場を知らないだけではあるけど。


葛葉「そ?ならいいんだけど。」


『わあ、なにこれ!』


初めて見るものばかりだった。


透明な薄い紙のようなものに包まれたおにぎりや、透明な水筒のような入れ物に入った色とりどりの飲み物は、本当に口に入れていいものなのか判断がつかなかった。


葛葉「あー、それはおにぎり。そっちは飲み物。色は毒々しいけど全部飲めんことはない。・・・・・・ハズ。」


そうなんだ。食べれるんだ。


『これ何味?』


葛葉「それ鮭のおにぎり。貸してみ、開けてやるわ。」


葛葉さんはおにぎりの包装を器用にはがして、三角のおにぎりを取り出した。


『ありがとう。・・・・わ、のりパリパリじゃん、すご!』


葛葉「あー、まあすごいか、そうかすごいわ。」


『すごいよ。めちゃおいしい。』


葛葉「よかった。で、これからどーすんの?」


『これから・・・・・。ここに住ませてもらっちゃ、だめ?』


綺麗なものを、美しいあなたを、ずっと見ていちゃだめ?


葛葉「いや、だめではないけど、あれじゃね?人間って太陽光ないと生きていけないんじゃね?」


『そうなの?』


葛葉「そうだろ。ここにいたらすぐ死んじまうよ、Aさん。」


じゃあそうなのかも。どうしよ。


『一年も生きれないのかなあ。』


葛葉「そうなんじゃね?知らんけど。」


『知らんのか。葛葉さんは、あとどれくらい生きるの?』


葛葉「もっと分かんねえよそんなの。」


『それなら私ここで死んでいいよ。』


葛葉「俺、それでさっきキレたと思うんだけど。」


『違う!諦める、って意味じゃなくて、そう有りたい、ってこと。』


葛葉「ははっ、意味わかんねー。Aさん変わってんね。」


『そうなのかもね。でも、そう思うんだ。』


葛葉「・・・・・・・・・なんで?」


言えない。


この執着のことは話せない。


でも、嘘にならないギリギリなら。


『わかんないけどそう思う。この気持がなんていう名前なのか、私の中で形容することができないけど、ここで死にたいんだよね。葛葉さんがいるとこで。』


私の言葉に、葛葉さんは目を見開いた。

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Asuna(プロフ) - Eryngiumさん» Eryngiumさん、ありがとうございます!これからも頑張ります!! (11月27日 7時) (レス) id: ef68d1b102 (このIDを非表示/違反報告)
Eryngium(プロフ) - 完結おめでとうございます!心理描写がとても丁寧ですごく読みやすかったです。これからも活動を応援しています!! (11月27日 0時) (レス) @page22 id: 663ca84b4d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Asuna | 作成日時:2023年11月24日 19時

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