月明かりの下で (ページ11)

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追って追われて　（視点：夏）ページ11

「おい、お前の言ってたAってあいつじゃねぇか?」
「「え？」」

ジバニャンが指差した方向には走っているAちゃんの姿があった。その後を追いかけるように黒い何かが同じ方向に向かっている。

「もしかして…」
「あれが怪奇案件の奴だな!それで…今走っていたのが」
「氷川さんだね｡もしかして追いかけられているのかな?」

そうこうしている間にもAちゃんの足音はどんどん遠くなっていく。
すると、ジバニャンが何か聞こえたのか顔をしかめてこう言った。

「クソッ…あいつらミカドがどうのこうのっと言ってやがった。多分だが、今逃げてる奴が何か知ってるかも知れねぇな」
「ミカド？よくわからないけど早く追いかけた方が良さそうだな」

アキノリに言われた通りに怪魔を追いかける。幸い、Aちゃんを追いかけるのに夢中らしく私達に気づいていないみたいだ｡

やがてひとつの公園に入ると怪魔の呻き声のような不気味な声が響いた。
その足元にはどこから出たのか大きな氷柱が刺さっている。その目の前には怯えた表情のAちゃんが座り込んでいる。

「あそこだ!!おーい!」
「Aちゃん!大丈夫?」
「ナツメちゃん…?月浪君…?なんでここに…」

怪魔は私達を一瞥すると不愉快そうに顔を歪ませて一体は標的をこちらに変えてきた。
でも、もう一体は相変わらずAちゃんに襲いかかろうとしている。

「待ってて、今助けるから!!」

エルダでミッチーとジバニャンシャドウサイドで召喚する。トウマも同じように義経に憑依して飛び出していった。