ご主人様は緩やかに微笑む

初めてのお仕事 ページ3

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『ー・・で？なんて？』

「だから、超カッコよかったんだって、関ジャニ∞の丸山隆平さんが。最後にお勘定してくれて、凄くない？やっぱ有名人は違うんだねって話」



あれから少しの間
丸山さんはわたしの愚痴に付き合ってくれて



丸「頑張ってな。また、逢えたらええね」



帰り際、そっと肩に手を置いて
少しだけ屈んで私の耳元で優しく囁いた。



「ほんと、いい人だったなぁ」



その声がまだ
耳に熱を持って残ってる。



『あんた、はしゃいでる場合？どーすんの仕事』

「とりあえず、叔母さんとこで働かせてもらう」




『叔母さんて・・ あの、美智子叔母さん？』




叔母さんは昔、
名の知れたホステスだったらしい。


その時、貯めたお金を資金源に
有名人専門の家事代行業を5年ほど前に設立した。


結構な美貌を持っており
汚れと汚い男が何よりも大っ嫌いである。




美「はい、我が社のモットーは！？」

『『 汚い汚れと汚い男は滅せよ！！』』


美「今日もチリ一つ残してくるんじゃないよ！」

『『 はいっっ！！』』




出社1日目の朝礼で
職安で仕事探せば良かったと後悔する。



美「A」

「はい」


美「やるからには厳しくするからね」

「よろしくお願いします」



分厚い顧客名簿を広げて閉じると
私のスマホに必要なデータと地図を送った。



美「よく聞きな。ウチはね、顧客全員有名人なの。顧客にITの社長も居れば、芸能人も居る。個人情報が流出しない為にも従業員にさえ、誰の家かわからないようにしてあるからね」

「…はい」


美「あんたでも大丈夫なの選んだから行ってきな」


そう言われて誰だかわからない
有名人の高層マンションで必死に風呂洗い。



「あ〜 腰いったぁ〜」



プロ仕様の掃除道具とマニュアルのお陰で
なんとか私でも出来るけど、思ってた以上の仕事だ。



「ったく 掃除ぐらい自分でしろよ〜 金持ちめ」



汚れを落としながら愚痴ると
なんだか気分がスカっとして気持ちがいい。

掃除とか嫌いな方だったけど
なんか、ちょっとこの仕事楽しいかもしれない。





ー・・キュッ、キュッ




「ーー はぁ」



ピカピカに磨き上げた湯船と壁。
あとは、減ってるシャンプーボトルを補充する。

リビングのソファにお酒のゴミと服が
派手に散乱してたから男性の家だと思ってたけど




「なんで、シャンプーが3種類もあるんだろ？」




シャンプーの容器が3つ
綺麗に並んであるのが不思議で仕方なかった。



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溶ける様な笑顔→←その仕草は反則

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