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『伊吹さん…！』
咄嗟に落ちそうになっていたので手をつかむ。
「あっぶねぇぇ〜…！！」
まったく…。どこまでも人騒がせな。
思わずため息が出た。
通信司令塔に音声データを貰いに行ってまた戻ってきた。
伊吹さんが呼んだ志摩さんが来たので、説明が始まった。
「志摩ちゃんさ、このマンションの向こうってどの区間か分かる？」
「世田谷区。」
「そうそう！ここ、境になってるんだよね〜」
「それがなんだ。」
「まぁまぁ。今からぎゃふんと言わせてやるから。あの日、香坂は志摩を待っている間暇だな〜って仕方なく景色を見渡してた。そしたら偶然発見した。犯罪の瞬間を。」
「はっ。なんだその作り話。」
「作り話じゃない。Aちゃん。」
おじさんからなんとか貰ってきた音声データを流す。
はっきりと香坂先輩の声で状況を伝えている声。
「それにあの垂れ幕。」
指差した先には、女性が書いたであろう可愛らしい書体で、〈2013年8月8日深夜2時頃通報してくれた人探してます！〉と大きく描いてあった。
「はーい。あ、通報してくれたのどっち？」
女性は妊婦さんだ。
見る感じ7、8ヶ月くらい。
「俺の"相棒"で、職務上名前は明かせませんが…。」
「ほんと？もう、あんときちょーやばくて。部屋に変な男入ってきて、取っ組み合いしてやばい殺される〜！ってときにパーフォーパーフォーって聞こえて。まじ天使のラッパに聞こえた。」
「天使のラッパ？わかるわぁ〜。」
「垂れ幕はずっと前から？」
「いや、先月からダメ元で。ここ引き払うことになったんで。あ、待ってて。」
そう言って女性は二本の缶コーヒーと1本のココアを持ってきてくれた。
「コーヒー二本しかなかったからココア！」
『あ〜ココア大好き！ありがとうございます！』
「あ、その人に伝えておいてください！あなたのおかげで、私も、この子も。生きてまーすって！」
「はい！必ず伝えます。」
〜屋上〜
「志摩ちゃん、何話してると思う？」
『きっと今どうしてるか〜とか話してますよ。』
「まぁ、だよね〜。」
『…もし香坂先輩が伊吹さんみたいな人だったら、どうなってたんだろう。生きてたのかな。』
「まず俺は証拠捏造とかそういう事からしないから警察やめることが、な〜い。」
『そういえばそういう人でしたね。』
「あっ志摩！うぇーい！」
そして伊吹さんがコーヒーを投げる。
「俺のおごりな。……なーんてね」
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まい - 次の更新楽しみにしてます！！とても読みやすくて早く続きが気になります！！ (2021年7月20日 4時) (
レス) id: 053dd774f2 (このIDを非表示/違反報告)
nartosasuke1010(プロフ) - 名字が変換出来ないので(名字)ちゃんになってます！ (2021年4月24日 16時) (レス) id: d944f1cd48 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：チーズケーキ | 作成日時：2021年4月7日 0時
