雄英高校3年生のプラズマ使い２ (ページ16)

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相澤side

白雲のときから自己犠牲精神が強いやつはどうにも目が離せなかった

教職についてからもそうだ

生徒たちを見ているとやはりヒーローの卵で

自分はどうでもいいから人助けをするようなやつばかりだった

だから厳しく、自己犠牲しなくてすむよう強く育ててた

いつの間にか俺も生徒を守る義務だとか、国民を守る仕事だとか

なんとか理由をつけて突っ走っていたのかもしれない

生徒に言われて気づくなんて情けない

気をつけなきゃな

『そんなに相澤消太の命は軽くありません』

Aも言うようになったもんだ

Aに訓練つけ始める前から実はAを注目していた

他の生徒と違って自己犠牲をしないことを前提としてヒーローを目指していたから

こいつはよくわかってる

残された人の気持が

Aが入学してしばらくしてから訓練してくれと直談判された

訓練をつけ始めた頃は必死にしがみついて

もともとのセンスが良かったため、

授業での活躍が目まぐるしいそう

それから新しいスタイルも身に着けてどんどん強くなっていった

そんなAに俺の命を語られるとはな、

相「悪ぃ、そうだな命は大切だ

心配かけたな」

生徒が成長した喜びと

Aの中で俺の存在が大きいことに対しての喜びと

普段からよく話すからこその違和感

Aがこんなに必死に訴えてくる

普段のAなら生きてるだけでボロ泣きして喜ぶだろう

だが怒るのだ

命を軽んじた俺ではなく、おそらく自分のことを

怒っている

　

ほら、いつもより優しく撫でても笑いかけても

コロリと表情をかえて笑わない

むしろ悔しそうだ

下唇を噛んでいる

あぁ俺じゃ力不足だ、

きっとあの場にいた者全てに当てはまるだろう

今のAの痛みを理解できても

今のAに強く言える者はいない、

ビッグ3でもなく、俺でもなく、プロヒーローでもなく、

Aの前を向かせることができる者

1人しかいないな、

『本当だよ消太先生、もう次そんなこと言ったら絶好だからね！』

あからさまに空元気

いや、Aのことをよく知らないものはいつも通りだと言うだろう

俺はお前に前を向かせることができない

だから今はお前の空元気に付き合ってやるか

相「あぁ気をつける

それにしてもお前の怪我は見た目だけだったのか？」

『ちゃんと重症でしたよ!?』