雄英高校3年生のプラズマ使い２ (ページ14)

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天喰Side

倒れたミリオを連れて地上へ出てきた

すると緑谷君と壊理ちゃんが苦しんでいた

すぐにイレイザーヘッドのおかげで事態は収束した。

それからプロヒーローの指示の下被害の確認、重症者の回収等がなされた

Aは大きなよく通る声で周りに指示を回したり、誰よりも動いて率先して手伝いをしたり、

とにかく、いろんなところで、Aが動いて、Aの声が聞こえた

いつもなら。

何故か今日はそれがない、

何処へ行っても、探しても、大方作業が終わりに近づいても、Aは見当たらなかった

死穢八斎會の門前にAはいた

いつもなら誰よりも早く動くA

いつもなら誰よりも大きな声をだすA

いつもなら誰よりも駆け回るAが、

今日は一歩も動かず、緑谷君と壊理ちゃんがくるまっていたところを一点、見つめていた

俺とAの間には多くの人が行き交いよく見えなかったが、

近づくに連れて見えてきた

Aは大怪我を負っていた。

円錐状のコンクリートが多くAに突き刺さっており、出血もひどい

環「…A？…

A！………………………、A！！、A！！A！、」

何度目かの呼びかけで

『ん？』

と、いつもなら合わせるはずの目を合わせずに答えた

環「何度も声をかけたんだ、大丈夫？」

『ﾊﾊ』

大丈夫なわけないのに、それをわかっているのに、それしか声をかけてあげることができない

環「A！酷い怪我じゃないか！早く連れて行ってもらおう！」

そう言われ気づくかのように自身の体を見るA

『大丈夫、今は何も感じないから、

環が先に行っておいで。』

環「駄目だ！俺なんかよりAのほうが酷い怪我をしている！」

『環が先に、』

環「駄目だ！Aが先だ！」

『環、』

環「A！お願いだ！怪我が酷い、

いつ倒れてもおかしくないんだ！だから！『環』、」

『環が先に行って。私に守らせて、』

怪我を負ったAを早く治療したくて焦った

だから今度は俺が目をそらしていた

“私に守らせて”

その言葉でAをみる、

いつもなら太陽のように明るく、迷いのない真っ直ぐな目が、表情が、

どことなく寂しそうで、悲しそうで、悔しそうで、

まるで絶望しているかのよう

「救急救命士です！ちょ！貴方！酷い怪我、すぐに病院に行きましょう！」

『いえ、救命士さん、環が先です、お願いします』

そして何かを恐れているようだった。