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「制圧開始！」
その声が聞こえた瞬間ヒーロー達が動き出した。
、
ガサゴソガサゴソ
気のせい。何も聞こえない。
ガサゴソガサゴソ
嫌な気がして後ろを振り向き地面を見ると、ブルドッグ。ブルドッグ。
いや、なんで！
ここ避難区域な！
このままにするわけも行かないのでとりあえず地面に降りる。
「みさとちゃん！みさとちゃん！あ！いた！」
そして聞こえた少女の声。
いや、だからここ避難区域！
ってか「みさとちゃん？」え、もしかしてこのブルドッグがみさとちゃん？
いや、ネーミングセンス！いや、いるよ？最近！キラキラネームのペット！
いやでも流石に人名すぎる！
現在私の心は大荒れである。
「お姉ちゃんだあれ？」
うん、こっちが聞きたい。
『お姉ちゃんはヒーローだよ！ヒーロー、ガンソード。君の名前は何かな？』
「あたしね、あのね、ゆめちゃんってよばれてるよ！」
『そっか〜ゆめちゃん！ゆめちゃんはどうしてここにいるの？』
「あのねみさとちゃんがね、いなくなってね、さがしにきたの！」
『そっか〜、ゆめちゃん！パパとママ、どこにいるかわかる？』
「うん！あのね、パパとママね、ヒーローと一緒にいたよ！」
『そのヒーローの特徴おしえてくれるかな？』
長々とならないように。率直に
ゆめちゃんが混乱しないように。一つ一つ
質問していく。
聞き出したヒーローはすぐそこの管轄担当で、一人で返すのも危険なためついていくことにする。
『ゆめちゃんとなのる4歳程度の少女とペットのブルドッグが避難区域内に侵入していました。対話してみると、親御さんの場所もわかったので、すぐ引き渡してきます。』
インカムで状況を説明しすぐに親御さんの元へ向かう。
ゆめちゃんとみさとちゃんには最初、半分切れながらツッコんでいたが、
話していると案外いい子で心の中で土下座した。←プライドとは？
私はすぐ加勢に戻りたかったので、みさとちゃんをゆめちゃんが、
ゆめちゃんを私が抱っこしてすぐさま飛び立った。
親御さんの元にはヒーローもいて、すぐ引き渡し、現場へ向かった。
、
『………。…ベスト……ジーニスト？』
今の言葉は、声になっていただろうか？
ｶｯｽｶｽな声、状況に追いつけない頭。
「おや？まだ残っていたのかな？君若いなぁ〜、まだ学生さんかな？」
変な汗が止まらない。呼吸も荒くなる。
悲劇の夜は、まだ始まったばかりだった。
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作者名：莉央 | 作成日時：2023年5月7日 10時
