〈H×H〉Astrolabe・syndrome

ドックタグ ページ10

『あのー。ゴトーさーん？』

ゴトーさんに無理矢理バスを降ろされ近くの喫茶店にでも入るのかなと思いきや

よく分からない車の助手席に乗せられている私。ちょっとよく分からない

「イルミ様のお名前はどこで聞き入れた」

『どこでっていうか普通に家まで来たんですけど』

そう。貴方のところの御坊っちゃん、夜這いまでして完璧犯罪者

ゾルディック家が名家なのは知っていたけどまさかこんな執事がいるとは

「お前から知り合いの匂いがするんだが、誰に使われてる？」

『顔にペイントしてる変わったピエロです』

運転席に座るゴトーさんがこちらに顔を向けて鋭く睨む。もうヤバイ組織しか浮かばない

「荷物を見せろ」

般若の様なゴトーさんに観念してどうぞ。とバックを渡す。ちょっと、片手運転はまずいんじゃ
ゴトーさんはバックからヒソカさんに渡された書類を出して眺める

「いいだろう。」

『え？良いんですか？』

ゴトーさんが私にバックを返す

「客人として認める。山を越えることになるので揺れに気をつけて」

突然対応が丁寧になったのに驚いては？と身を乗り出す

『本当にいいんですか？』

「ヒソカ、だろう。入れるように言われている」

え、ヒソカさん。顔パスならぬ名前パス？とんでもないピエロだな

まぁ、ゾルディック家執事公認で入れるということか。なにそれラッキー、、？

後部座席のクロが顔を出して嬉しそうに尻尾を振った


車に揺られ続け暇になった私はバックの中から出発前に入れたハンドメイドパーツを取り出す

頑丈なチェーンと銀色のドックタグ。丸カン、tピン。クロの首輪を作るのだ
繋ぎ合わせてクロの首に通すと元々クロが毛長で綺麗なのもあってか、お高そうな犬に見える

『ゴトーさん見てくださいよ、可愛い』

「犬は可愛いな。犬は」

誰も私を褒めろとは言っていない

バックを漁るとまだパーツが残っていた。ついでに買ってきたイヤーアクセサリーパーツとハートのモチーフ。
丸カンで繋げてチェーンで下げると、イヤーカフが完成する

揺れる金色のハート。私には合わなそうだな

パーツを袋に入れ終えると、窓から豪邸が確認できた。え？本当に家？広くない？

「着いたぞ。ようこそゾルディック家へ」

車から降りてゴトーさんの後に続く

何でこの人観光バスに乗ってたんだろう

正面玄関ではないらしい扉から入って廊下を歩くと、ゴトーさんが重たそうな木の扉の前で足を止めた

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