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44. ページ29

末澤「…その…つらくないん?」

「ツラくないって言えばウソになるね」

末澤「なら、どうしてなん?」

「…分かんないよ、自分でも」



あ、やっぱり地雷だったかもしれん
今まで無理して作ってた笑顔がなくなった…



「チャンスさえない舞台って分かってるよ?
 理解は出来てんねん。でも行ってまうんよ」

末澤「不安なん?」

「不安かー。不安なのかもなー
 居ても居なくても、稽古は進むし公演もされるのが。
 でも出演者じゃないねんから当たり前なんやけどね」

末澤「…」

「誠也くん、悲しそうな顔せんでや
 聞いてくれてありがとうって思ってるで!
 明日からは行かへんから安心して」

末澤「いや、来るなって言いたいわけちゃうねん
  お前のこと心配してん。絶対ツライ思うし…
  でもなんて言えばええか分からん」

「…こんなこと言うのは違うかもやけど、
 仕方ないねん。女やから。
 それは理解してるから大丈夫やで」

末澤「ならなんでなん?」

「もしかしたらチャンスもらえるかもとか
 期待してるんかもしれん。絶対にないのにな」

末澤「…」

「あと…お前は関ジュじゃないって
 言われてる気がしてまうねん。
 取り残されて行くような感覚というか…」

末澤「そっちが本心やろ?」

「…そうかもね」

末澤「俺は居てくれた方がいいと思っとるよ
  今日小さい子らが漢字聞いたりとかしてるの見て
  客観で見てくれる逃げ道がいた方が良いかもって。
  でも、それをしてお前が苦しくなるならせんでええ。
  来ても来んくても、お前のこと関ジュじゃないとか
  思ったことないからな」

「…さっきまで全然喋らんかったくせに笑」

末澤「お前がなんて思ってるか分からんかったんやし
  しゃあないやろ」

「…本当はね、この時期、いつも辞めたくなんねん
 居ない方がみんな気を使わないかな?とか
 必要とされてないのかな?とか…
 このステージのエピソードは参加できひんし…
 疎外感みたいな…」

末澤「そっか…。でも、辞めんくてありがとう」

「…ありがとうなん?」

末澤「おん。ありがとうであってるで。
  俺、お前のこと好きやもん。
  まゆにしか出来んことがあって
  それが性格の部分もやし、
  パフォーマンスの部分もやし
  ずっと羨ましく思ってたことたくさんあんねん。
  だから、辞めんで居てくれてありがとう」

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むっちゃん(プロフ) - 楽しく読ませてもらってます❤️ゆっくりでもいいので続けてください🥰 (10月21日 23時) (レス) id: 67f8ec7f13 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:さっくん | 作成日時:2023年10月21日 16時

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