Aぇ！！の長いおはなし

43.見間違え ページ25

今野side



事務所で用事があって来たけど、俺だけだし
特に長居する理由もないし
さっさと済まそうとエントランスを入ると
出てきた人に話しかけられた



「あ！今野くん！スタッフさんが呼んでたで！」



ってよく見たらまゆちゃんだ。

まあ、呼ばれてたから事務所に来たんだけどな



今野「…そうなんだ、ありがと」



呼んでたよ！なんて言われたから
世間話する暇もなく少し急いでスタッフさんを探す。

ちょっと無愛想だったかな？
でもまゆちゃんは帰ろうとしてたんだし仕方ないか。








用事も終わって帰ろうと思ったら
エントランスにまだ居るまゆちゃん

帰ろうとしてたから
エントランスで会ったんじゃなかったっけ？



今野「なんでまだいんの？」

「お！意外と早かったんやね！今野くん待ってた！」

今野「待ってたの？俺のこと？なんで」

「さっき会った時、呼んでたよ！って言ったやん？」

今野「言ってたね」

「それ知ってんのな、スタッフさんが
　私と今野くんのこと見間違えてたからやねん！
　おもろいなって思って話したくて待ってた！」

今野「ん？どういうこと？」

「ちょっと省きすぎたか笑
　私な、人生で初めて金髪にしたんよ！
　それ知らんかったスタッフさんが
　私の後ろ姿見て今野くんだと思ったみたいで、
　今野くーん！おい、今野！って
　めっちゃ声かけられてん」

今野「ああ、そういうこと」

「私と今野くん見間違えるとか、
　そんなことあるわけないやん！って思ってたんやけど
　スタッフさんに聞いたらさ、
　上着のフードで髪の長さわからんかったし
　全身黒色の服だったから間違えたんやって！」



そう言ってニコニコ話してるまゆちゃんを見ると
確かに似たようなアウター着てた

確かに見間違えるかもな
関西のまゆちゃんが珍しく事務所にいるし



「というかちゃんと見たら、めっちゃ服似てるやん！
　間違えられるなんて思ってなかったけど
　確かに間違えそうやんな」

今野「…金髪似合ってんね」



脈絡もなく、ふと言ってしまった言葉に
驚いてるまゆちゃん

ちょっと気持ち悪かったかな
でも、思っちゃったんだから仕方ない



「ほんま？嬉しい！ありがと！！！
　一発目で似合うって言ってくれたん今野くんだけや！
　こじけんなんてな、ぐれた！とか言ってきて
　めっちゃ文句言ってくんねん！」



良かった…素直で良い人だった

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