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＊佐野side
いま僕は、まゆちゃんに「お前、廊下に出ろ」と言われ
これから怒られます
廊下の人通りが少ない方に連れられ
壁とまゆちゃんに挟まれています…
佐野「…ごめんなさい」
まゆ「どう考えても危ないやろ？
わかってんのか？なあ？」
佐野「…はい」
まゆ「あんたはええよ？何かあっても自業自得やから。
でも山井くんに何かあったらどうするつもりなん？
大袈裟かも知らんけど山井くんがケガでもしてみ？
撮影中止にだってなる可能性があるんよ？
今日なんて何十人って人が関わっとるんよ？」
佐野「…はい」
仕事が好き以上にまゆちゃんは仕事に誇りを持ってて
いろんなところに気を遣っとる
たしかに俺のは、自分のためだけやった
まゆ「あと万が一、
山井くんが一生踊れませんとかの大ケガしてみ？
晶哉が責任とれるん？取れへんよな？」
怒ってはいるけど
どんどん俯いて、声色が弱く震えてるまゆちゃん
…めっちゃ心配してくれてたんやな…
佐野「…まゆちゃん、心配かけてごめんなさい」
まゆ「わかったんならええわ。もうこれでお終い」
って俯いて行こうとする…
佐野「まゆちゃん！こっち向いて」
顔を上げさせたらうるうるしとって
今にでも涙が溢れそうになっとる
佐野「…本当にごめん。出じろばっかり気にしとって…
山井くんも巻き込んで…反省してます…」
まゆ「…本当は…自業自得なんて思ってないねん…
本当に晶哉のことも心配しててん」
佐野「わかっとるよ」
まゆ「晶哉にケガあったらどうしようとか…
晶哉がドラムできひんくなったら嫌やもん」
佐野「うん。いつも気にかけてくれてありがと」
まゆ「ケガしてへん？」
佐野「ひとつもしてへんよ」
まゆ「じゃあ、許す」
涙は溢れとったけど、やっと笑ってくれた
まゆ「…誰もケガしてへんから言えるけど…
絶対晶哉の長尺で使われるな！」
一変して笑顔で撮れ高のこと言うまゆちゃん
この人が誰よりも貪欲だったわ笑
でも個人よりグループの還元を考えてくれとる
俺ももうちょっとちゃんと考えんとあかんかったな
まゆ「誰かが晶哉のこと言うたびに
あの映像使われるやろな！やったやん」
いつも誰よりも心配してくれてありがとうお姉ちゃん
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作者名：さっくん | 作成日時：2023年10月9日 17時
