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冬などと ページ7

「ルシファー」

座っている彼のローブを捲り、その足の間へと入り込む。

……何をやってるんだって?寒いから暖を取っているのだよ、暖を。諸君は真似するなよ。

「寒い」

カーバンクルよろしく丸まる私を無視して、ルシファーはカリカリと書類にペンを走らせている。

部屋の中は氷かと思うほどに寒いのに彼は一切気にせず仕事をしていて、一方の私は彼を使い暖を取っていて。

暖炉に火を落とすのが最善なのは分かっているが、寒すぎて動けないと言うのが現実だ。

今の私はさながら爬虫類だ。
自分の体温を己で維持できない。

いや、寒すぎるこの部屋がおかしい。

「ルシファー」

「何だ」

「お、反応した」

「用が無いなら話し掛けるな」

「寒い」

その言葉の直後、お前は何を言ってるんだ?と言うような視線を落とされて、私は持ち上げていた彼のローブを降ろす。

「寒いんだよ。暖炉に火をつけてほしい」

そう言いながら顔を見上げる。

朝焼け色の目とかち合った。

「……はぁ」

少しばかり遠くに佇む暖炉を見つめて、何とも言い難い溜め息を吐いた彼が机の引き出しを開けた。

机に入るは無数の小さな欠片。

その中から橙色の物を取り出すと、ルシファーは、暖炉へ向かってそれを投げつける。

綺麗な弧を描き飛ばされた欠片が、かつん、と音を立てて暖炉の中へと落ちた。

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アキ(プロフ) - リクエストに応えていただきありがとうございます!更新されてるのをみてすぐ飛んできました!これからも楽しみにゆっくりと読ませていただきます! (2021年11月25日 6時) (レス) @page20 id: aa044e7ab8 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:*Reno | 作成日時:2020年10月5日 5時

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