黎明の手記 (ページ6)

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｢今日は一日休みだね。あと、出来れば明日も休みが良いと思うよルシファー｣

｢理由は｣

｢研究所全体の疲労回復の効率化のため｣

｢……良いだろう｣

始末書が来た時はお前が書け、などと言いながら、ルシファーがコップを押し出してくる。

私はと言えば、押し出されたコップに自身が飲んでいた氷水の半分を注いだ。勿論だが怒られる前提の行動である。

｢おや｣

が、彼は神経質な外見にそぐわず雑だ。

その氷水を気にも留めず飲み干すルシファーに、雑な男だな、と声が出る。

｢お前も雑な女だろう｣

｢まぁね。おかわりは？｣

｢それごと寄越せ｣

暴君な言葉に差し出したコップの中身も、氷だけを残しながら飲み干されていく。

大きく上下する喉仏を見ていると、液体を飲んでいるはずなのに、まるで宝石や炎など、少しばかり異質な物が呑み込まれているように見える。

何を言ってるか分かるかい？『美味しそうに飲む』って言っているんだよ。

まぁどうでも良い。
あまり気にしないでくれたまえ。

　

　

　

　
｢さて、我が夫よ。私達は仕事があるよ。最高評議会からのお達しへの返信って仕事がね｣

｢鬼か貴様｣

　

　

そんな夏の一日だ。