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「――――と言う事があったよ」
穏やかな緑の中で、目の前に座る人物へ告げる。
「おやおや、母がいなくなった瞬間、親子喧嘩に兄弟喧嘩かい?これだから男共は嫌になる」
Aはくつくつと喉を鳴らしながら笑うと、まだ温かいカップを手に取った。
中の黒い液体を口に含みつつも、その目は私の言葉を待っている。
「すまない。最善は尽くしたのだが……」
「冗談だよ、冗談。雛鳥の事もあって辛かったろうに、良くやったとも」
本当に善い子だ。どっかの黒い息子とは大違い。あれはあれで良い子ではあったけど。
そんな事を言いながら、明るいままの外を見る。
「そう言えば、今の雛鳥はあれだね。特異点達と旅をしている」
「うん」
「私達も、いつか混ざりに行きたいね。可能かは分からないけど、エテメンアンキの落下をどうにか出来たのだから、いずれどうにか出来るだろうさ」
特異点達に期待しよう。
珈琲を啜り笑う彼女に頷きながら、私もカップへと口をつけた。
「その時が来たら、また、君と友の、仲睦まじい姿が見られるだろうか?」
「ルシフェル、問いは願いだよ」
「分かっているとも」
「じゃあ、見られるんじゃないか?私は知らんがね」
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アキ(プロフ) - リクエストに応えていただきありがとうございます!更新されてるのをみてすぐ飛んできました!これからも楽しみにゆっくりと読ませていただきます! (2021年11月25日 6時) (レス) @page20 id: aa044e7ab8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:*Reno | 作成日時:2020年10月5日 5時