黎明の手記 (ページ26)

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起きた暴動の事も、サンダルフォンについても。
全てを彼の口から聞き、また、それを理解してもいるのだが。

意見を違えた。彼女は何も分かってない。手っ取り早い。致し方ない事。波紋状に広がったただの暴動。私のスペア。杞憂だった。

思考を、ルシファーに言われた様々な言葉が覆い尽くす。

｢ルシファー、君は……｣

一人立ち尽くしていると、背後から数人の足音が聞こえてきた。

｢この鳥野郎！！｣

｢天司長！！｣

振り向くと、彼女の部下だったもの達が駆けてきている。
片手に武器以外の物を持っているに、万が一の時のためとやって来たのだろう。

｢ルシフェル殿、お怪我は……｣

｢私は問題無い｣

｢……左様ですか｣

私越しにルシファーの首を確認し、Aの部下の一人が彼の身体に触れに行く。

｢……ほぼ即死だな。身体もまだ温かい。首を一刎(ひとはね)とは、よくやるもんだ｣

とにかく、貴方が存命で良かった。

　
その言葉にさえ、私は頭を振りたかった。

違う。私は。彼は。彼女は――――。

『ルシフェル、案ずる事は無いよ』
　

　

　
｢戻ろう。ルシファーにはまだ共謀している者がいる。少数でいると危険だ｣
　

　

　
『彼は、私の事が大好きだからね』