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「……なんの用件だ天司長。俺達はまだ治療中だ。仕事なら他の天司にでも振ってこい」
――警戒されている。
……当たり前だろう。
星晶獣と一部の天司の暴動は、一般的な星の民である彼等にとって非常事態だ。
今回、彼等の中から死者が出なかったのは奇跡。
だとしても大なり小なり傷を負った者はいるわけで、現に最悪の状況として、直属の上司であるAが死んでいる。
天司長である私を警戒するのは、自分達の仲間を護るための、当然の反応とも言える。
「話がある。彼女……Aについてだ。開けてもらえるだろうか。もしかすると私達は、何か大きな間違いを見過ごしているかもしれないんだ」
頼む、と声を紡ぐ。
「……分かった」
その声と共に、ガコン……と重たい音がして、重厚な扉が開けられた。
中にいる者達は、皆傷だらけだ。
警戒している者と、不安そうに私を見上げる者。
指揮官が居なくなりながらも稼働している事を考えれば、彼等は非常に優秀なのだろう。
「A様の件とは」
「実は先ほど――」
彼等に、可能な限り詳細に、出来事を話した。
出会した獣の事。
見付けた地下室と、そこにあった血液の事。
壁や床の損傷から導き出された武器の事。
その武器の、持ち主達の事を。
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アキ(プロフ) - リクエストに応えていただきありがとうございます!更新されてるのをみてすぐ飛んできました!これからも楽しみにゆっくりと読ませていただきます! (2021年11月25日 6時) (レス) @page20 id: aa044e7ab8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:*Reno | 作成日時:2020年10月5日 5時