黎明の手記 (ページ21)

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サンダルフォンや暴動を起こしたその他の天司の事もある。

だが事実を知ってしまった以上、やらねばならない事は決まっていた。

｢友よ、君に聞きたい事がある｣

執務室の扉を蹴り開けるようにして中へ入る。

｢わぁお……ルシフェル、今日は随分乱暴だね｣

どうかした？と目を見開くベリアル。

｢Aの事だ｣
｢……ルシフェル？流石にさ、情緒ってもんを考えようぜ、君。彼女が死んで、ファーさんだってこれでも悲しんでるんだぜ？｣
｢ベリアル、君は下がっていろ。私は友に話がある｣
｢おっと？ごめんよ｣

友の方を見ると、彼は黙って私の顔を見つめていた。

｢友よ、Aの死に関し、一度君と話がしたい。近いうちに時間を空けてくれ｣

そう言うと、彼が持っていたペンを置く。

｢お前のその性格はAに似たな。だが良いだろう。時間は三日後の夜で良いか？｣

｢構わない。私からは以上だ｣

失礼する。

半ば遮るように、両断するように言い放ち、そのまま彼等に背を向けた。

背後からはベリアルが｢君らしくないじゃないか｣なんて言っていたが、今の私は、三日後までにやるべき事があった。

瓦礫や破片が飛び散った外廊下。

かつては美しかったその道を歩きながら向かう先は、生前のAが受け持っていた棟。

数少ない無事とも言えた扉を叩く。

｢……どちら様でしょう｣

｢ルシフェルだ｣

扉越しに聞こえた声に、名前を答えた。