黎明の扉 (ページ9)

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装填ページ9

視界の端では部下達があらゆる事態に備えた計画を立て始めているのに、私はそれを喜べない。

――そんな事しても無駄だ。

もし本当にルシファー達が動くなら、私達凡人には到底理解できないものを振り回すはずだ。

冷静な狂気も激烈な想いも、それら全て、私達が想像できる範疇のものではない。

｢いざとなれば全部巻き込んで爆破すれば良いのでは？｣

｢そんな事したらA様まで死ぬじゃない！馬鹿なの！？｣

｢A様だけ別の場所に隔離しとけよ｣

｢何処に隔離しとくってのよ！｣

――嗚呼、本当に、この愚か者共は。

｢私の安全は気にするな。自分の身くらい自分で守れる｣

自分の心配をしたまえ、と声を掛ければ、部下達は｢お前のせいで怒られた！｣｢いいやアンタのせいよ！｣と喚き合う。

｢お前うるさいぞ！こっちは計算してんだから少し黙ってろ！！｣

随分と懐かれたものだ。

こんなつもりではなかったのに。

｢A様｣

スッと傍に寄ってきたのは、この中では比較的品のよろしい部下。

｢諜報活動の許可を頂きたく｣

諜報活動。何をする気だこいつ。

大体察しは付くが、それは頂けない。