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「――信じ難いが…」
君が言うなら、そうなのだろう。
そう言ったルシフェルに、すまない、と謝る。
あれから私は、ルシフェルへと情報を伝え、部下達の行動についても話し合った。
最初こそ私の方に疑惑の目を向けていたルシフェルも、私が眠っている間に起きた出来事に心当たりがあったのか、静かに話をしてくれた。
「私がこんな事にならなければ良かったんだがね」
「それは仕方のない事だ。君だって、なりたくてそうなったわけではないのだから」
「…ありがとう」
「しかし、これからどうする?私は常に研究所には居られないし、君もいつ眠りに落ちるか分からないだろう」
問題はそこである。
ルシフェルが研究所に居続けられるのなら、最悪の場合パラダイス・ロストで檻もこの場も破壊してしまえば良い。
だが彼には天司長としての役割があるし、それを疎かにするわけにはいかない。
万が一ルシファーと戦闘状態になった時私が眠っていれば、部下達の殆どは対抗しきれないだろう。
まぁ、中には化け物もいるが。
「……彼等が元凶と決まったわけでもないのが、一番の、頭痛の原因だろうか」
そう言った私の目を見つめながら、ルシフェルは黙っていた。
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作者名:*Reno | 作成日時:2020年4月11日 5時