黎明の扉 (ページ4)

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視線ページ4

｢落ち着かれましたか｣

｢あぁ…｣

先ほどは取り乱してすまない、と告げる。

｢お気になさらず｣

｢ところでA様、いったい何があったんですか…？｣

疑問を投げてきた女の研究員の声に、なるべく平静を装っていたのだろう者達もこちらを向いた。

私は室内を見回した。

書類作業を行うには広すぎる部屋。

そこには一人を除き、全ての人員が集まっている。その一人ですら、今この場に、何故いないのかと見当が付く。

これは彼等が、私が眠り職務を行えない間すら、まるで天司の軍勢のように一糸乱れる事が無かった証拠だ。

部下が全員いる事を確かめて、私は口を開いた。

｢獣用の檻が建設されているようだ｣

その言葉に、一瞬辺りが静まる。

｢獣用の檻？｣

｢獣…？…星晶獣のこと…？｣

｢どう言う事ですか｣

｢獣の管理は俺達の仕事では…｣

｢私達は要らないってこと？｣

静かに、細やかな声で溢れる疑惑の念。

｢A様、所長はなんと？｣

皆が私を見る。

私はそれに答えるべきかを考えた。

黙って、部下達の目を見つめながら。