今日:9 hit、昨日:9 hit、合計:11,091 hit
小｜中｜大
部下 ページ3
あらゆる感情がぐちゃぐちゃに混ざり合って、私一人ではどうしようもなくなって。
そうして行く宛てもなく放浪し、結局辿り着いた場所は自身の持ち場だった。
悔しい。非情に悔しい。私は元来気性の荒い女なんだ。この野郎。
そう思うと、下がりかけた涙が再び溢れてくる。
――何故伝わらない？
きっと彼も、そう思ってるだろうに。
｢A様！？｣
｢どうされたのですか！？｣
鋼鉄でできた扉をこじ開けると同時に、遅番の部下達と目が合った。
｢所長ですか！？所長が原因ですか！？そうなんですか！？？俺がぶっ飛ばしに行きましょうか！？？｣
｢ちょっと！A様泣いてる時にやめなさいよ！！アンタは向こう行ってて！！｣
｢A様、とりあえず椅子に。今なにかお飲み物用意しますね｣
――嗚呼、此奴らは。
｢A様！？A様！？｣
｢だっから！！！もう！！！｣
わらわらと傍に寄ってくる、私より僅かに背の低い部下二人。
その二つの頭を抑えつけるように抱き締めると、ぐえ、と鈍い声がした。
｢A様に抱き締められた…？今日が命日か…？｣
｢アンタ本当黙ってくんない！？｣
何なの？お前が何？と悪態を吐き合う男女を抱き締めたあと、飲み物を持ってきた、私より背の高い部下も抱き締めた。
｢……A様、どうされましたか｣
｢……｣
｢お前何抱き締められてんの？｣
｢アンタまじで黙って。｣
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 64人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：＊Reno | 作成日時：2020年4月11日 5時
