｢あぁ、やってしまった｣ ページ45
『何が？』って？
日記のページがないんだよ。
まぁ良い、続きを聞いてくれ。
あの後、大の男三人掛かりでようやく離れたこの手と武器は、想像も寄らぬ状態になっていた。
手の平に深く突き刺さった己の爪を離し、さらに武器を掴もうとする指を引き剥がし。
そこから、手と指と腕の力に対抗してようやく武器を手放したこの手は、自身から染み出た血液により真っ赤になっていたのだ。
ホッとしたと同時に腕に伝った血液に、私は、自分がこの目を見開いたのを自覚している。
｢抉れてしまっている…｣
私の手を見ながらそう言うルシフェルは、珍しく眉間に皺を寄せていた。
｢…ちょっと失礼しても？｣
｢…！ すまない｣
ルシフェルを押し退けるようにしてやって来たベリアルの腕には、包帯や、ガーゼ達が居座っている。
隠されるようにしてその腕に抱えられている薬がとんでもなく傷に染みるものである事を知ってる私は、彼からそっと距離を取った。
｢うわ｣
がくっと重心が落ちる。
前を見ると、私の手首をがっちり掴んだベリアルが微笑んでいた。
｢逃げちゃ駄目だぜ？お母サマ｣
この畜生め。
そうして嫌々差し出したこの手に、ベリアルはこれでもかと言うほどその薬を塗りつけた。
他の傷薬よりも格段に治る速度が早いのはよろしいが、その分叫び散らしたくなるほど染みて痛いのは頂けない。
下唇を噛みながら痛みに耐える私が心配なのかルシフェルは翼を広げたままウロウロしているし、ルシファーは長らく私を抑えていたせいかソファーの上でぐったりとしている。
この中で(精神的に)元気なのがベリアルだけとはこれ如何に？
諸君、君達ならばこう言う時にどうするんだ？
私？私は手が完治したらぶん殴る。
｢そう言えばルシファー、そろそろ日記帳が無くなる。新しいのを用意してくれ｣
｢え？この状況で日記の話するかい普通｣
｢後はベリアルを殴り飛ばす許可も欲しい｣
｢友…｣
｢…………煩い…｣
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＊Reno(プロフ) - かえでさん» 面白いとのお言葉ありがとうございます。フリーダム系妻面主人公(？)をこれからもゆったりよろしくお願いいたします！ (2020年2月3日 6時) (
レス) id: e0ad1dc33e (このIDを非表示/違反報告)
かえで - すごく面白いです！主人公ちゃんがかっこいい..。続き楽しみにしてます。 (2020年1月27日 17時) (レス) id: 07d90d10b2 (このIDを非表示/違反報告)
＊Reno(プロフ) - うささん» 生存報告ありがとうございます。最近ますます寒くなってキレ散らかす頻度が高くなりました作者です…。楽しみにしていただき嬉しい限りです。ゆっくり更新ではありますが、これからもよろしくお願いします(´V`) (2019年12月26日 19時) (レス) id: e0ad1dc33e (このIDを非表示/違反報告)
うさ - 更新お疲れ様です。私も寒さにキレ散らかして仕事に行ってます....。ルシファー大好き人間なので楽しみにしております。 (2019年12月26日 2時) (レス) id: ef6ea16959 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：＊Reno | 作成日時：2019年7月11日 2時
