頭角 ページ44
バンッと殴り付ける音がする。
｢ふざけるな貴様――――！！！！！！！！｣
自分史上あまりに稀に見る声量。
その怒声が自身の耳を通って初めて、ハッと意識が戻った。
｢はっ……はー…っ……｣
普段出さない大声に身体が酸素を求め、肩を上下させた。
無意識に武器を振り抜かんとしてた腕を抑えるのは、これまた稀に見る表情で私の胴抱えるルシファーだった。
｢何をしている…！｣
この状況には流石の彼も驚いたらしい(当然である)。
｢……私のような黒い髪の女が、…君の名を知っていた…｣
夢の中の出来事を、完結に言おうと口を開く。
だが、まだ肩で息をしている私の腕は、私の意志に関係なく武器を床へ叩きつけようとしていた。
自分でも驚くほど、仮にも男である彼が顔を歪める程の力量で。
｢早く武器を離せ…！｣
｢分かっている…んだが……｣
彼の言葉に従おうとするが、がっちりと武器を握り締めた手は指一つ動かない。
それどころか、手を離そうとすればするほどこの手は力を増して、武器を握り込んだ。
調度その時、バタン、と音がして、二匹の獣が部屋へと入ってくる。
｢え…何ごと！？｣
｢友、いったいどうし……A…！？｣
武器を握り込むあまり、手の平に爪が刺さり血に染まった手を尚振り上げる私に、その手を離させようと私の手に指を掛けたルシファー。
それを見て目を丸くする者。
部屋に来たのはベリアルとルシフェルだった。
｢ルシフェル！Aの武器を取り上げろ！！｣
｢ベリアル、すまないが私の手を引き剥がしてくれ…！！｣
｢わ、分かった！！｣
｢ちょっと、後でちゃんと説明してくれよ〜！？｣
全然状況が分かんねぇ！何のプレイだよ！！と叫ぶベリアルに、ルシファーの怒声が飛んだ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 36人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
＊Reno(プロフ) - かえでさん» 面白いとのお言葉ありがとうございます。フリーダム系妻面主人公(？)をこれからもゆったりよろしくお願いいたします！ (2020年2月3日 6時) (
レス) id: e0ad1dc33e (このIDを非表示/違反報告)
かえで - すごく面白いです！主人公ちゃんがかっこいい..。続き楽しみにしてます。 (2020年1月27日 17時) (レス) id: 07d90d10b2 (このIDを非表示/違反報告)
＊Reno(プロフ) - うささん» 生存報告ありがとうございます。最近ますます寒くなってキレ散らかす頻度が高くなりました作者です…。楽しみにしていただき嬉しい限りです。ゆっくり更新ではありますが、これからもよろしくお願いします(´V`) (2019年12月26日 19時) (レス) id: e0ad1dc33e (このIDを非表示/違反報告)
うさ - 更新お疲れ様です。私も寒さにキレ散らかして仕事に行ってます....。ルシファー大好き人間なので楽しみにしております。 (2019年12月26日 2時) (レス) id: ef6ea16959 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：＊Reno | 作成日時：2019年7月11日 2時
