黎明の剣

形成 ページ35

｢――ま、…――さま、｣

――この声は誰だろう。

｢A様！？大丈夫ですか！？？｣

｢誰かーーッ！！！A様がーーッ！！！｣

｢落ち着け！！A様は死んでるわけじゃない！！！｣

――お前達か。

｢おはよう｣

｢｢ハッ！おはようございます！！！｣｣

目を開けて一番に飛び込んでくる、部下達の姿。

仕事をしているようにと言ったはずだったが、どうだっただろうか。

｢…何故ここに？｣

｢｢え？｣｣

｢え？ではなく、私は仕事を続けるようにと伝えたはずだが…｣

｢聞いてません｣

｢忘れました｣

｢記憶に無いですね｣

｢…そうかい｣

強かな奴等だと思う。

彼等から話を聞くと、どうやら眠っていたのは数時間程度。言わば昼寝というもので特に支障はなく、彼等が勝手に騒ぎ散らしただけだという。

過保護な部下だ…とは、今の私には言えないのだが。

ゆっくりと立ち上がる私と私を支えようとじりじり動く部下達は嘸かし滑稽なのだろうが、そんな現場に、一つ。

｢何の騒ぎだ｣

不快そうな声と、コツンとした靴の音。

瞬間、まるで人生が終わったかのような顔をする部下の一人。残りの二人はきゅっと口を結び、私の背後へと隠れる。

｢何をしている｣

眉の形を歪めた彼が私を見た。

｢外の空気を吸いに出てきたらそのまま寝てしまってね。また私が倒れたと勘違いしたらしい｣

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