拝進 ページ30
その日、私は久し振りに持ち場へと就いた。
研究室のドアを開けるなり｢A様ァ！！｣と何人かが飛び付きかけるが、後ろに居たルシファーを見て血相を変え、何事も無かったかのように持ち場へと戻っていった。
｢では、何かあれば連絡を｣
｢分かっているよ。…あぁルシファー、可愛い妻が仕事へ行くと言うのに、いってらっしゃいのキスは無いのかい？｣
煽るようにそう言えば、朝焼け色の瞳がこちらを向いた。
｢…お…？ん？待ちたまえ。何をする気だ｣
かつかつと私の元へ歩いてきて、首が絞まる勢いで両頬を掴むルシファー。
初めての行動に手を振り払おうとするが、これまたアホのように力が強い。
｢ルシ――｣
――ぶつり
そんな音がした。
目の前が白くなるほどの激痛にルシファーを押し退ければ、彼の歯に、赤い液体がついているのが見えたのだ。
彼を見て、痛む場所に触れる。
手袋にはそこそこな量の血が付いていて、何かを言おうと唇を動かせば再び激痛が走るのだから、察しざるを得ないだろう。
再びルシファーの顔を見ると、彼は引き攣ったような顔で、心底楽しそうにしていた。
｢カワイイ妻が何だ？｣
お前が言ったからしてやったぞ、と言うような声。
まぁ、確かに言ったさ。
だが噛み千切るのは違うのでは？私は�爛�ス�瓩噺世辰燭里世�ら。
私は踵を返し研究室を出て行く背中を、そのままの場所で見送った。
｢後で覚えておけ｣
という言葉と共に、だが。
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＊Reno(プロフ) - かえでさん» 面白いとのお言葉ありがとうございます。フリーダム系妻面主人公(？)をこれからもゆったりよろしくお願いいたします！ (2020年2月3日 6時) (
レス) id: e0ad1dc33e (このIDを非表示/違反報告)
かえで - すごく面白いです！主人公ちゃんがかっこいい..。続き楽しみにしてます。 (2020年1月27日 17時) (レス) id: 07d90d10b2 (このIDを非表示/違反報告)
＊Reno(プロフ) - うささん» 生存報告ありがとうございます。最近ますます寒くなってキレ散らかす頻度が高くなりました作者です…。楽しみにしていただき嬉しい限りです。ゆっくり更新ではありますが、これからもよろしくお願いします(´V`) (2019年12月26日 19時) (レス) id: e0ad1dc33e (このIDを非表示/違反報告)
うさ - 更新お疲れ様です。私も寒さにキレ散らかして仕事に行ってます....。ルシファー大好き人間なので楽しみにしております。 (2019年12月26日 2時) (レス) id: ef6ea16959 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：＊Reno | 作成日時：2019年7月11日 2時
