彗星 ページ27
｢寝るのか｣
頭の上で声がした。
｢ルシファー…！！｣
瞬間、跳ね飛んだ睡魔。
まさに覚醒したというような感覚に私は勢いよく起き上がった。
私が大声を出すことも勢いよく動くことも珍しいのか、ルシファーは大きく目を見開いて私を見下ろした。
そんな彼にズカズカと近付いて、その腕を掴む。
｢今、寝そうだった｣
｢そうか｣
｢君が来たら睡魔が消えた｣
｢そうか｣
突然起き上がった女に腕を掴まれてそんな事を言われても、そうか、としか言いようが無いだろうに。
分かってるんだ。
分かってる。
だが、嗚呼、どうしよう。
今の私はとても脆い。
｢ルシファー｣
彼が傍に居なければ、眠ることは愚か、起きていることもできないなんて。
｢あの獣に合わせてくれ｣
突然の言葉に、彼は微妙な表情のまま黙って私を見つめていた。
｢なぜ、どうして、なんて野暮なことは聞かないでくれたまえ。あの獣に合わせてほしい｣
突拍子も無いな、と呟く声に、そうだろうかと言い返す。
私からしてみれば、ルシファー、きみも大概に突拍子の無い男だというのに。
｢なら、今回はそろそろ戻るか。またお前を抱えて戻らなくて良いうちに｣
｢おっと？それは私への愛かな｣
｢…置いてくぞ｣
｢少しはレディーを待ちたまえよ｣
｢そのレディーとやらの歩みを待っていたら夜が明ける｣
それもそうだと頷いて、私は、数メートル先の彼への元へと駆け寄った。
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＊Reno(プロフ) - かえでさん» 面白いとのお言葉ありがとうございます。フリーダム系妻面主人公(？)をこれからもゆったりよろしくお願いいたします！ (2020年2月3日 6時) (
レス) id: e0ad1dc33e (このIDを非表示/違反報告)
かえで - すごく面白いです！主人公ちゃんがかっこいい..。続き楽しみにしてます。 (2020年1月27日 17時) (レス) id: 07d90d10b2 (このIDを非表示/違反報告)
＊Reno(プロフ) - うささん» 生存報告ありがとうございます。最近ますます寒くなってキレ散らかす頻度が高くなりました作者です…。楽しみにしていただき嬉しい限りです。ゆっくり更新ではありますが、これからもよろしくお願いします(´V`) (2019年12月26日 19時) (レス) id: e0ad1dc33e (このIDを非表示/違反報告)
うさ - 更新お疲れ様です。私も寒さにキレ散らかして仕事に行ってます....。ルシファー大好き人間なので楽しみにしております。 (2019年12月26日 2時) (レス) id: ef6ea16959 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：＊Reno | 作成日時：2019年7月11日 2時
