晴 ページ3
「……」
おっと、背を向けられてしまった。
「からかっただけだろう。あとルシファー、そろそろ『可愛い妻が心配だ』と素直に言いたまえよ」
「速やかに朽ちろ」
「それは了承できない。私は私の意志で生きている」
何百年と前から変わらない会話に、私は僅かに口元が緩んだ。
いや、何百年も前からこうしているわけではないが、まぁ、当時は会う度にこんな会話をしていたのだよ。外で。
懐かしい日を思い出しながら布団から出した足を床へと着けて、そのまま、ぬるっと音がしそうな感じでベッドから降りる。
「何をしている」
「外を歩いてくる。君は寝ていたらいい」
正気か?という彼の短い問いに、正気ではないと?と問いで返すのは、意地が悪いだろうか。
「途中で眠りに落ちたらどうする」
あぁ、それはごもっともだ。
「どうしたら良い?」
「執務室より外に出るな」
「それもそうだね。では行ってくる」
彼の言葉を聞き流し寝室のドアを開けたところで、ばふっと布団に何かが突っ込む音がしたところを聞くと、説得(と言って良いのか?)を諦めたのだろう。
「それではルシファー、オヤスミ」
即座に「死ね」と聞こえたが、残念なことに普段の私は前向きなんだ。
心優しい私は「君がくたばりたまえ」と返しておいた。
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*Reno(プロフ) - かえでさん» 面白いとのお言葉ありがとうございます。フリーダム系妻面主人公(?)をこれからもゆったりよろしくお願いいたします! (2020年2月3日 6時) (レス) id: e0ad1dc33e (このIDを非表示/違反報告)
かえで - すごく面白いです!主人公ちゃんがかっこいい..。続き楽しみにしてます。 (2020年1月27日 17時) (レス) id: 07d90d10b2 (このIDを非表示/違反報告)
*Reno(プロフ) - うささん» 生存報告ありがとうございます。最近ますます寒くなってキレ散らかす頻度が高くなりました作者です…。楽しみにしていただき嬉しい限りです。ゆっくり更新ではありますが、これからもよろしくお願いします(´V`) (2019年12月26日 19時) (レス) id: e0ad1dc33e (このIDを非表示/違反報告)
うさ - 更新お疲れ様です。私も寒さにキレ散らかして仕事に行ってます....。ルシファー大好き人間なので楽しみにしております。 (2019年12月26日 2時) (レス) id: ef6ea16959 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:*Reno | 作成日時:2019年7月11日 2時