丁 ページ11
ルシファーと共に一頻り書類について語り合った所で、完全に空が闇に染まったことに気が付いた。
「もうこんな時間か」
そう言い、書類をまとめるルシファー。
「随分と話し込んでしまったね」
「そうだな。だが有意義な時間だった」
「そう言って頂けて光栄だよ」
なんて事を話しながら私は、彼に悟られぬように、ぼんやりとやってきた睡魔へと抗う。
まだ眠くないと言う脳に、眠い、と訴える身体。
まるでこの世界のようではないか。
「ルシファー、外に行こう」
立ち上がり掛けた彼へとそう告げる。
彼はストンと腰をソファーへ戻し、外?と目を見開き聞き返してきた。
「そう、外だ。今から二人で行こう」
「唐突だな」
「許したまえよ。研究者の性なんだ」
そんな私の言葉に僅かに口角を上げた彼が、良いだろう、と答えた。
「この島の湖を渡った先にある場所。そこへ行こう」
自身の言葉にそう続ける私と、それを聞きながら、私の目を見続けるルシファー。
微妙な、それでいて涼しい空気が流れたのは一瞬だった気がするが、もしかすると数分だったかもしれない。
だが確実に、私も、彼も、お互い以外は見ていない。
同等の思考を持つ者。
同等の知性を持つ者。
その数が少なければ少ない程、生き物は、僅かな相手へ集中する。同等の存在が一人しか居なければ、世界にはその相手しか居ないのだ。
単純だろう?生き物は。
36人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
*Reno(プロフ) - かえでさん» 面白いとのお言葉ありがとうございます。フリーダム系妻面主人公(?)をこれからもゆったりよろしくお願いいたします! (2020年2月3日 6時) (レス) id: e0ad1dc33e (このIDを非表示/違反報告)
かえで - すごく面白いです!主人公ちゃんがかっこいい..。続き楽しみにしてます。 (2020年1月27日 17時) (レス) id: 07d90d10b2 (このIDを非表示/違反報告)
*Reno(プロフ) - うささん» 生存報告ありがとうございます。最近ますます寒くなってキレ散らかす頻度が高くなりました作者です…。楽しみにしていただき嬉しい限りです。ゆっくり更新ではありますが、これからもよろしくお願いします(´V`) (2019年12月26日 19時) (レス) id: e0ad1dc33e (このIDを非表示/違反報告)
うさ - 更新お疲れ様です。私も寒さにキレ散らかして仕事に行ってます....。ルシファー大好き人間なので楽しみにしております。 (2019年12月26日 2時) (レス) id: ef6ea16959 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:*Reno | 作成日時:2019年7月11日 2時