目覚 ページ2
「…起きたのか?」
と言う低い声に、私の意識は戻された。
「おはよう、ルシファー。今回はどれくらい眠っていた?」
「前と変わらん。数ヶ月ほどだ」
「そうかい」
最近はずっとこんな感じだ。
眠っては起き、ほんの少し起きてはまた長い眠りについてしまう。
終わりがある空の民にしてみたらとんでもない病…とでも思うだろうが、不滅とされる星の民にとっては、そんな大きな問題でも無かったりする。
何百年と年を重ねたところで、然程人生に差がでないのだから。
「そう言えば、獣はどうなったんだい」
白いローブを着たまま私の隣で横になっているルシファーへと問えば、珍しく疲れた声色が返される。
「あの獣が発する物質に被爆した者がお前と似たような睡眠障害を発症している事が分かった。が、現時点で治す方法は確立されていない」
「遠く離れたら治るものではないと?」
「それについては実験済みだ。被爆した者の半分を遠地の研究室に移したが、変化はない」
「大変な獣だねぇ」
「そうだな」
処置の方法が分からねば殺してしまう事もできない。
そう続ける彼の目を見ると、薄らと黒い隈が出来ていた。
「眠らねば作業効率が落ちる」
「分かっている」
「ふふ、そんなに妻が心配かい?」
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*Reno(プロフ) - かえでさん» 面白いとのお言葉ありがとうございます。フリーダム系妻面主人公(?)をこれからもゆったりよろしくお願いいたします! (2020年2月3日 6時) (レス) id: e0ad1dc33e (このIDを非表示/違反報告)
かえで - すごく面白いです!主人公ちゃんがかっこいい..。続き楽しみにしてます。 (2020年1月27日 17時) (レス) id: 07d90d10b2 (このIDを非表示/違反報告)
*Reno(プロフ) - うささん» 生存報告ありがとうございます。最近ますます寒くなってキレ散らかす頻度が高くなりました作者です…。楽しみにしていただき嬉しい限りです。ゆっくり更新ではありますが、これからもよろしくお願いします(´V`) (2019年12月26日 19時) (レス) id: e0ad1dc33e (このIDを非表示/違反報告)
うさ - 更新お疲れ様です。私も寒さにキレ散らかして仕事に行ってます....。ルシファー大好き人間なので楽しみにしております。 (2019年12月26日 2時) (レス) id: ef6ea16959 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:*Reno | 作成日時:2019年7月11日 2時