Labradorite (ページ11)

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慎太郎を連れて帰ってきた。

車の中でよく分かってなかった人たちにも、慎太郎のことを説明した。

これから一緒に住むことも認めてくれた。
認めてくれないことは無いと思っていたが、万が一認めてくれなかったら家を出ていくつもりはできていた。

どこかにふらっと消えてしまいそうな雰囲気を漂わせて、静かに眠る慎太郎を見ると不安になる。

それでも、これからはずっと一緒だと思うと安心した。
慎太郎以外の家族についてはまだ行方が分かってないから、慎太郎が落ち着き次第話を聞けたらと思う。

「森本さん細いね」

北斗がふと呟いた。
確かに慎太郎は細かった。きっと、死なない必要最低限の食事だけ与えられていたんだろう。
とりあえず、今日は遅いから明日病院に連れていくしかない。

「こーち」

「ん？」

「慎太郎のこと明日病院に連れていきたい」

「分かった、連絡しとく」

俺らは普通の病院じゃないところに行くから、前持って連絡しておかなきゃいけない。
まぁ、腕はいい医者だから大丈夫なんだけどね。

色々なことがありすぎて、必要以上に誰も話さない車内で俺は一人昔のことを思い出していた。
窓の外を見ながら物思いにふけっていると、気づいたら俺らが暮らす家に着いていた。

「皆今日はありがとう、慎太郎ベッドに寝かせてくる」

俺でも抱えられる慎太郎の軽さに改めて驚いたし、もう二度と慎太郎に苦しい思いをさせたくないって思った。