３３４ ページ41
「…ああ。俺の信念に基づいても、やはり奴は殺すべきだと考えてる。君らも3日位頭を冷やして、考えるんだな」
烏間先生は真っ直ぐに、私の目を見て伝えてくれた。先生自身の考えと、最後のヒントと、思いの全部。
「くそッ、烏間の野郎！ここ1番で見捨てやがって！」
「…Aちゃん、なんで止めたの…？ここから出たいのは、先生に会いたいのはAちゃんも一緒じゃ…」
そろそろ時間が、と焦った隊員さんと烏間先生が出て行ってすぐに。寺坂くんが苛立ったようにソファーを蹴り、渚くんがわけが分からないと言いたげな目を向けてくる。
「学校に向かうのなら、警備に隙が生まれる5日目以降。山の中には30人未満の、少数精鋭の傭兵集団がいて、そのリーダーは烏間先生の3倍強いから、闘おうとしてはだめ。あと3日はここで頭を冷やして考えて、待っていても、レーザー発射までには充分に間に合う。烏間先生は、それを教えてくれたんだよ」
私の言葉を聞いて、ハッとしたような顔をする。
「…前に、烏間先生が言っていたでしょう？ころせんせーのことは他の誰でもない、私たちに殺して欲しい、って。
先生を殺すべき。…それは、政府が用意した超暗殺兵器や民意による暗殺なんかではなくて、私たちがやるべき。だから、私たちの力を信じて、ころせんせーに会いたいという私たちの意思を尊重するって、そう言ってくれたの。
情報と…多分、烏間先生の立場で出来る限りの手助けは、してくれるつもりではないかな」
私は、先頭に立ってみんなをまとめたり、引っ張ったりするのには向いていないと思う。
けれど、これは…今は多分、私が言わなくてはいけないこと、のような気がした。
「…もう一度、きちんと考えて整理しよう？私たちはどうしたいのか。何ができて、何をすべきなのか。先生は、私たちにどうしてほしいのか」
みんながちゃんと、私の声を聞いてくれる。だから、このクラスが好き。きちんと…それが誰なのかに関わらず意見や言葉に耳を傾けてくれるし、尊重しようとしてくれる。
みんなで頷き合って、意見を出す。
第一に、ころせんせーに心から死んでほしいと願う人は、この中にはいない。これは話し合うまでもないこと。
第二に、それでも私たちは暗殺者。必殺にかけたこの1年間の思い出を、何も知らない誰かに踏みにじられてしまうのは、絶対に嫌だ。
「…って事はよ、まず俺らは何をしてーんだ？」
「決まってるよ」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 69人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「暗殺教室」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
nano*(プロフ) - りゅーさん» りゅー様、コメントありがとうございます。楽しんでいただけているようでとっても嬉しいです。毎日更新、とはいかないかもしれませんが、最後までがんばっていきますね！ (2022年5月2日 19時) (
レス) id: da0c6565c0 (このIDを非表示/違反報告)
りゅー - とても面白いです！ 更新頑張ってください！ (2022年5月2日 5時) (レス) id: a57abce8b1 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：nano* | 作成日時：2022年4月6日 13時
