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このまま何事もなく、卒業して、先生はどこかで生きている。
そんな未来を思い描いていた私たちは、甘かった。大人たちはそんな未来を望んではくれなかった。
私たちの知らないところで、周到に。全ては準備されていた。そのことを今日になってようやく理解した。
みんなと一緒に、日本の総理大臣が読み上げ始めた各国共同声明の中継映像を見る。
光のドームと、音もなくあの場所に降り注いだという巨大光線は、2種類の超暗殺兵器によるものであるということ。
この2つの兵器が狙う標的こそが月を破壊した元凶であること。
その怪物を殺さなければもうすぐ地球が滅んでしまうということ。
怪物は政府を脅し、生徒を人質に教師になりすまして学校に潜伏していたこと。
各国政府は怪物に従うフリをしながら密かに暗殺の準備を進めていたこと。
各国の保身や思惑が入り混じった、ほんの少しずつ事実を捻じ曲げて伝えられた声明は、ころせんせーだけが悪者であるという印象を世間に植え付けた。
とどめのレーザーの発射日として発表されたのは、3月12日。地球が滅んでしまうかもしれない日の、前日だった。
騒然となる世間を横目に、私たちは無意識に、学校に向けて走り出した。
先生に会わないと…あの場所に行かないと、何も始まらないし、何かを終えることなんて絶対にできない。
道は、先程聞いた通り走行車両と兵隊さんによって阻まれる。
「なんだ君たちは！」
通して欲しい、先生の所へ行きたい。何を訴えても当然、通すことはできないの一点張りだった。
「やめろ！生徒たちに手荒くするな！」
焦った様子で現れた烏間先生に、みんなが暗殺兵器や先程の声明について尋ねる。
烏間先生も、直前まで何も聞かされていなかったのだそうだ。多分、ころせんせーに勘付かれるのを避けるために。
「声明は、君らの今後も考えてのことだ。脅されたと言えば無神経な詮索を受けずに済む。全員揃ってるなら丁度いい。口裏を合わせるんだ！」
烏間先生の言葉はきっと、とっても正しいのだと思う。けれど、納得は出来なくて…したくなかった。
会いに行って私たちが人質に取られたら、事態が悪化することになると、ころせんせーに会いに行くことすら否定される。
先生がそんなことをするわけがない、と反論しようとする岡野さん。
「…？」
後ろがなんだか騒がしい気がして振り返る。
マイクやカメラを持った人たちが、私たちを指差した。
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nano*(プロフ) - りゅーさん» りゅー様、コメントありがとうございます。楽しんでいただけているようでとっても嬉しいです。毎日更新、とはいかないかもしれませんが、最後までがんばっていきますね！ (2022年5月2日 19時) (
レス) id: da0c6565c0 (このIDを非表示/違反報告)
りゅー - とても面白いです！ 更新頑張ってください！ (2022年5月2日 5時) (レス) id: a57abce8b1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：nano* | 作成日時：2022年4月6日 13時
